ノンストップアクション4~世界放浪記~

文字数 1,124文字

マジシャン・アスカジョー 様作

【あらすじ】
オーストラリア留学から戻った主人公は、次第に自分の殻に閉じこもるように。出会いと別れの繰り返しの中で、誰かと夢や目標を共有することに疲れ果ててしまったからだ。主人公は友人の忠告を無視し、恋人を捨て、一人孤独な旅へと突き進もうとしていた。しかし、新たな出会いを通じて、少しずつ自らの過ちに気付いた主人公は旅をやめる決意するのだった。

書き出し一行はこちら(プロローグなとは抜いています)
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「…えっと、その席は緊急避難口なので、もし英語が得意でなければ変わってもらえませんか、と言われています」
(引用)
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まず、タイトルから。これは放浪記なのだが、ノンストップアクションなのですよ。のんびり、気のむくままとは真逆の位置にある。したがってこれはスピード感のある物語なのだと想像できる。では具体的に、どんな想像をするのか。わたしは勝手にワイルドスピードのようなイメージを沸かせてしまう。どっちにしても、ハラハラドキドキする物語が展開されることが、期待できる。そして、この作品はシリーズ4作目であることがわかる。つまり、物語に厚みがあるという事だ。
あらすじを見ると、この物語には出会いと別れが来り返されるのだ、ということが分かる。旅をしているのだから、当然だと思うかも知れないが、疲れ果ててしまった、とあることからその出会いが”有意義”であり”得るもの”が多かったということが想像できる。何故ならば、簡単に別れられる相手ならばそこまで、心が疲れることはない。きっと、別れが辛かったからこそ、そういう出会いと別れを繰り返すことが心的疲労に繋がったのではないかと、考えられるのである。ただ、この疲れ果ててしまったは、直後の文にかかっている為、夢や目標を誰かと共有することにつかれたのであって、出会いと別れそのものには関係がない恐れもある。
だが、一人で旅に出ようとしているというところを見る限り、わたしはどちらの文にもかかっているような気がしてならない。
その後、主人公は新たな出会いを通して旅を辞める決意をするわけだが、それまでの物語では主人公が成長していく物語であるという事が予測できるのだ。
書き出し一行目はとても面白く、興味を引く。主人公は、何らかの理由で緊急避難口の席に座っている。どんな経緯でこんなことになっているのか。しかも、英語が苦手だったら変わってくれと要請されているのだ。”言われています”ということは誰かを通しての伝言の可能性も浮上する。冒頭一行目から、何が起きてこうなっているのか、好奇心を満たすためつい、先が気になってしまう作品であることは間違いない。
是非、あなたも主人公とともに旅をしてみませんか?

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