第4話 理想の夫婦
文字数 400文字
僕と妻は苗字も同じで、生まれも同じ十一月二十二日。
二人は出逢うべくして出逢い、良い夫婦の日に式を挙げ、その日のうちに入籍した。
子供が沢山生まれることを願ってミニバンを買った。
ナンバーは「ね11−22」
しかし、良い夫婦であり続けることに疲れ果て、やがて子供も諦めた。
僕の希望でミニバンをロードスターに乗り換えた。
「ナンバーまで変わったら周りが変に思うでしょ?」と妻は希望ナンバーに拘った。
ナンバーは「ち11−22」
買い物の荷物が積み難いと妻は文句を言う。
「私も自分のクルマを買う!」
選んだのはロードスターと同じ価格のフランス車。前に拘った手前、また希望ナンバーにした。
ナンバーは「や11−22」
七回目の結婚記念日を前に妻が切り出した。
「もう別れようか?」
幸か不幸か、別れても二人の苗字は変わらない。
離婚届の日付欄に良い夫婦の日を記入し、僕たちはそれぞれの愛車で役所に向かった。
二人は出逢うべくして出逢い、良い夫婦の日に式を挙げ、その日のうちに入籍した。
子供が沢山生まれることを願ってミニバンを買った。
ナンバーは「ね11−22」
しかし、良い夫婦であり続けることに疲れ果て、やがて子供も諦めた。
僕の希望でミニバンをロードスターに乗り換えた。
「ナンバーまで変わったら周りが変に思うでしょ?」と妻は希望ナンバーに拘った。
ナンバーは「ち11−22」
買い物の荷物が積み難いと妻は文句を言う。
「私も自分のクルマを買う!」
選んだのはロードスターと同じ価格のフランス車。前に拘った手前、また希望ナンバーにした。
ナンバーは「や11−22」
七回目の結婚記念日を前に妻が切り出した。
「もう別れようか?」
幸か不幸か、別れても二人の苗字は変わらない。
離婚届の日付欄に良い夫婦の日を記入し、僕たちはそれぞれの愛車で役所に向かった。