パートタイムの紗美菜さん
文字数 782文字
バーコード読み取り式のレジスターが普及した昨今、よほど旧式のキャッシュレジスターを使っているのかというと、全然そんなことはなく、ちゃんと読み取り面の前を通せば記録ができ、POSとも連動したキッチリ最新式のものを使っている。
吉村くんは近所の大学に通う常連客だ。
ドサリと買い物かごをレジカウンターの上に置いて、金色のVIPカードを私に差し出す。
ドサリと買い物かごをレジカウンターの上に置いて、金色のVIPカードを私に差し出す。
カードを受け取りながら、小さな声で尋ねる。
あっちのレジ、というのはすぐ隣のキリコちゃんが担当しているカウンターだ。
あっちのレジ、というのはすぐ隣のキリコちゃんが担当しているカウンターだ。
キリコちゃんは専門学校生で、学校が引けるとすぐに来てシフトに入る。
私はお昼過ぎから夕方までだけど、彼女は夜までやっていく。
私はお昼過ぎから夕方までだけど、彼女は夜までやっていく。
まあ、背が高くて、ちょっとスポーツマンっぽい、けれどイカつすぎない体格、そして爽やかな短い頭髪をきちんと整髪料で整えて、服装も清潔感があってお洒落……というイケメンっぷりなのだから、彼のことがタイプじゃないという年頃の女の子はそういないと思うけれど。
いつものやりとり。
そして、吉村くんは私の耳元に口を寄せて囁く。
そして、吉村くんは私の耳元に口を寄せて囁く。