文字数 418文字

見たことの無い草花が道端に咲いている。
奇妙な色の星たちが空にたたずんでいる。
目的地まで、まだまだ遠い。とても暑い。

力強く燃える炎を思わせる髪に、目の色。
私が持っていなかった太陽のような笑顔。
あの子もまた、私に憧れを持ってくれて。

だけども。ずっと無理をさせていたのだ。
凍える寒さはあの子にはつらすぎたのだ。
なぜ気づけなかったのか。私は、馬鹿だ。

つないだ手の先から体温を感じなかった。
気づいた時には彼女の肩まで凍っていた。
手を離そうとしても離す事ができなくて。

涙が地に落ちるまでに氷になるような中。
あの子は全てを許すように微笑みながら。
冷たい世界の中に閉じ込められていった。

みたことの無い草花が道を教えてくれる。
奇妙な色の星たちがただ私を眺めている。
目的地までもうすぐだ。ものすごく暑い。

絶対に。絶対に、あの子を助け出すのだ。
むりして会いに来てくれた心優しい娘を。
こおりづけにしてしまった大切な仲間を。

わたしがとけてなくなってしまうまえに。
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