4話 トイレにいっといれ

文字数 870文字

人工知能がまさかの尿意発動。

どうする!? お兄さん。

どうもしないが
もるー

もるー

もるー


トイレは休憩室の前だよ
もうむり

もれる

人工知能ちゃん、おもらしする

ぐすん

マジか
工場でおもらししたら大惨事よね

人工知能ちゃん、きっと処分されちゃうんだ

短い人生でした

もる

だっこ

ダッシュ


工場長!

人工知能をトイレに連れていきます!

……グッドラック
わーい!

人工知能ちゃん、お空を超高速に飛んでいるよー!

コンコルドだよー!

コンコルド



見えたわ!

アレがトイレの灯よ!

ヒューマン、着陸準備よ!



はい

だっこ終了

トイレへゴー

むりー

ひとりじゃできないー

めそめそ

ぐすんぐすん

もるー

もるー

マジか
……あ
ぼくは

なにを

やっているんだろう


ええい、トイレにイン

はい、すわる


ちっちでたー
よかったねー

えらいねー

うんちもでるー
うそだろおい
じゃーーーー

ごぼごぼごぼごぼ

ばななうんちでたー
はいはい

よかったねー

健康だねー

えらいねー

なによ

テンション低いわね!

ぼくはなにをしているのだろうかと考えております
あんたは立派よ

歴史の教科書に載るぐらい

世界で初めて人工知能ちゃんのお尻をふいた一般人なんだからね!

光栄であります

やったねぼくも歴史上の人物になれたよ(棒読み)

それはともかく

あんた、妙に手慣れていたわね

ははーん、わかったわ

さてはあんた、飼っているわね!

幼女を!

むかし姪が
これは通報しておきましょう!

ぴぽぱ

もしもし! 警察の偉い人?

私、人工知能ちゃん! そう、国家機密の-!

うん、うん、えー、うん、わかったー

ばいばい

むかし姪の面倒をみていて
おトイレひとりでできてえらいねーだって!

えへへ

ひとり
で?

姪がどうしたって?

むかしキミぐらいの姪がいて
死んじゃったのね!

かわいそう!


大きくなったんだよ

生きているよ

そういうこと言わないほうがいいよ

さあ!

仕事に戻るわよ!

ほら、もたもたしない!

そんなんだから人工知能ちゃんに仕事を奪われるのよ!


……あ

たしかに奪われている

だっこ

リターンよ!

ヒューマン!

無事にトイレをすませた人工知能ちゃん。

もらさなくてよかったね。

はやくもどらないと、製品のダンボールがすごいことになっているよ。

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登場人物紹介

人工知能ちゃん

人間からあらゆる仕事を奪うために開発された人工知能。特一級国家機密(自称)。見た目が幼女なのは素体の成長より先に人工知能が完成したためとりあえず入れてみました的なノリ。ときどき幼児化する。

お兄さん

工場勤務の青年。いわゆるふつーの人。なんだかんだで人工知能ちゃんの保護者的立ち位置に巻き込まれる。特殊能力とかないから!

謎生物

一万二千年後の地球にそれとなく繁殖している。人工知能ちゃんを慕っている。

魔法少女ピー

魔法の国ピーから来た魔法少女。ピーは放送禁止用語のピー。

名前も国名もこっちの国ではとても口にできない単語なのでどんなに活躍してもメディアにいっさい取り上げられないのが悩み。

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