そんな気がする
文字数 638文字
私はゆう子。ある日、自転車でスーパーに行く途中に、右折してきたトラックに跳ねられて死んでしまった。
それからというもの、こうして気ままに幽霊生活を楽しんでいる。
でも、心残りがあるの。それは世界一の漫画家になること。私にはこれといって才能は無かった。小さな出版社の週刊誌で漫画を連載していたのだけれど、どの漫画家よりも素敵で面白い、そんな世界一の漫画を描ける。今でもそんな気がしてならない。
幽霊になってからの事だけれど、ある時私は自分の力に気付いた。それは、取り憑 いた人をその気にさせる力。例えば、「好きな人に愛の告白をしてみたい、だけどそんなことはできない。」そんな人に取り憑くと、その人は「できるかもしれない、そんな気がする。」と思ってしまう。
この前、私は橋の欄干 に手をついて夕日を眺めてる男の子がいたから、『何か悩んでいるのかな、勇気をあげよう。」そう思って取り憑いたの。そうしたらなんとその子は川へ飛び込んでしまったわ。ニュースにもなったけど、その子は死んでしまった。
その事を閻魔様 に怒られて、別の生き物に変えられちゃった。
「ブンブンとうるさいわねぇ。夏休みの宿題ができないじゃない、あんたなんかこうよ。」
涼子は飛んでいた虫をバチンと叩き潰した。
その時、ちょっと涼しくなった気がした。
「あれ?毎年夏休みの最後になって慌てて宿題してたのに、今の私なら、今日中に宿題を終わらせてしまえる。そんな気がする。」
それからというもの、こうして気ままに幽霊生活を楽しんでいる。
でも、心残りがあるの。それは世界一の漫画家になること。私にはこれといって才能は無かった。小さな出版社の週刊誌で漫画を連載していたのだけれど、どの漫画家よりも素敵で面白い、そんな世界一の漫画を描ける。今でもそんな気がしてならない。
幽霊になってからの事だけれど、ある時私は自分の力に気付いた。それは、取り
この前、私は橋の
その事を
「ブンブンとうるさいわねぇ。夏休みの宿題ができないじゃない、あんたなんかこうよ。」
涼子は飛んでいた虫をバチンと叩き潰した。
その時、ちょっと涼しくなった気がした。
「あれ?毎年夏休みの最後になって慌てて宿題してたのに、今の私なら、今日中に宿題を終わらせてしまえる。そんな気がする。」