第十話「最終回」

文字数 1,543文字

突然、水島の部屋現れた少女。彼女は靴を履いたまま立っていた。
靴を脱いでくれ!
あんた前回からどらだけ時間が経ってると思ってんのよ!もうこの話は最終回なのよ!いい加減に懲りたら  
脱げー!  
飛び掛かる水島。
ちょ!ちょっと、きゃあ!
無理やり少女の靴を脱がした水島。
はぁ、はぁ・・・・
少女の赤い靴を玄関に揃え少女の前に胡坐をかいた水島。 
ようし!話を聞こう。一体全体どういうことか説明してくれ 
ふん、あんた何様のつもりよ。説明なんかないわ!終わりなの 
待て待て!まったく意味が分からない 
分からないもなにも、あんた自分が何者か知ってるの?そしてどこに行くのか 
・・・・ど、どういう意味だ 
これまで見たところあんたの覚醒レベルはファースト。この話の中での立ち回り方がわからずウロチョロしているってとこね 
な?!・・・ 
やっと出てきたキャラクターに驚きでもした?残念ね、もう終わりなのよ、この話は!はい、終わりー!!お疲れ様でしたー 
待て待て!終わらせない。そんなことあってたまるか 
立ち上がり水島はリュックを持った。 
よーし、ちょっと疲れてるようだ。今日はバイトを休んで散歩しよう。あー、座敷童(ざしきわらし)が見えるとはよっぽど疲れてる 
ちょっとバカなの、あんた、ま、待ちなさいよ 
水島は鍵もかけずに玄関を勢いよく開けた。 
速足で歩く水島の後ろから少女が追ってくる。 
待ちなさいよ!このバカ!説明が終わってないじゃないの 
あー、うるさいうるさい、説明なんてしないって言ってたやつがなにを言うか 
走って水島に追いついた少女。裸足で歩いていた。 
頼む、靴を履いてくれ・・・・ 
はあ?あんたバカじゃない?こうでもしないとキャラ立たないじゃない 
キャラ?・・・ 
そうよ!あんたがそんなんだからこの話だって終わっちゃうんじゃない。身体張りなさいよね! 
少女の足の裏には血がにじんでいた。 
き、君はいったい・・・ 
水島は靴を脱いで靴下も放り投げた。 
い、痛っ・・・ 
二人裸足で速足で歩き続ける。 
ほう、いい心がけね。ただ私と被ることだからやめて欲しいんだけど 
はー、いい天気だ 
でも無駄よ。ここでこの話は終わるんだもの 
君、名前はなんだい? 
バカ!?あんたに教える名前なんか 
名前くらいあるだろう?教えてくれ 
バカ!! 

バカバカ言っちゃいけない。君のためにならないよ。

君はその口で、その言葉で、想いを伝え、愛していくのだから

な・・・・・ 
僕も39歳だ、君の挑発には乗らない。そして君を
アホね!!!あんたアホね!!
当ててみよう!・・・瞳だ!!青い瞳の蒼井瞳(あおいひとみ)そうだろう!!

いいわ・・・ちょっとついてきなさい!あんたをお姉さまに会わせるわ。お姉さまは私なんかより優しいから・・・だから、あんたの頭でもわかるように説明してくれるわ、きっと!

先を行く少女は腕で何度も顔を拭っているようだった。
(泣いて・・・いる?・・・)
素早く振り返る少女。 
泣いてないから!!!!あんた・・・ほんと、許さない!! 
今日はここまでっ!! 
あ・・・・私の仕事奪われちゃいました(;'∀')? 
じゃあ、ここまで 
ちょっと、あんた!! 
わ、ま、また・・・・(;´∀`) 
結城美緒。あなた自分が何者かおわかり? 
は、はぁ・・・ 

あなたはね実体がないの。あなたは幻なの。

なんでかわかる?

・・・・・・・・ 

この物語が水島を起点にしている時点であなたの存在はただの過去の幻影。

美化された記憶、だから薄っぺらいあんたは幻なのよ。

・・・・・・・・ 

はいはい、終わりー。これであなたは終わりなの。じゃあ今度は水島をコテンパンにしてやるんだから。

最終回その2で待ってなさい!

水島さん、私・・・。 
次回「第十一話最終回その2」に続く・・・ 
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登場人物紹介

名前「水島義男(みずしまよしお)」

中二病を病み続ける男。

哲学者キルケゴールの存在を知ったときに自分は彼の生まれ変わりだと信じてしまい絶望に身を投じる。


名前:セーレン・キルケゴール(アイコンは作者描いてます)

実在したデンマークの哲学者。

著書「死に至る病」が有名。

実存哲学の巨匠である。愛した女性レギーネ・オルセンの婚約を突如破棄し、絶望の中から哲学を探求し続けた。

名前:結城美緒(ゆうき みお)

水島にとって、すべてをかけて愛したという最愛の人。


キルケゴールの著書

名前:竹林香織(たけばやし かおり)

通称「かおちん」

パチンコ屋の店員で結城美緒の親友


女の子

覚醒レベル「サード」の覚醒者

水島義男の物語を向かわせるべきところへ導こうとする

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