BLOCK11.5:コンフュージョン・コントラクト最終回直前スペシャル!

文字数 2,500文字

「はいはーい、ハロー! エビコー鉄研総裁であるぞよー」
「もー。何そんな格好してやってるんですか総裁。総裁いくらコスプレしてもバーチャルYouTuberのミライアカリさんには、なれませんよ」
「そうなのか……うちの著者がミライアカリに今ハマっておるらしいのだが。著者のPixivのブクマがそれで水色まみれになっておるやに聞いておる」
「えっ、総裁、もしかするとそのコスして著者に媚びを売るんですか?」
「うっ、そんなことは断じて、ねいのである! わが著者には鉄研制裁あるのみ! これは読者の皆さんへのサービスなのである!」
「ほんとかなあ。それにあちこち丸見えですよ、その吊りバンドにマイクロスカートとか」
「しかしこういう露出の多い格好のコスを着ると胸に起きる、このフシギな気持ちは何であろうか」
「もー。総裁変態だなあ。あくまでもKENZEN、じゃないと」
「マイクロスカートと言えば24系寝台客車の電源車カニ24の1から8号車……」
「いきなりテツネタぶっ込まないでください! 読者が目を白黒させてますよ!」
「うっ、さふであった!」
「メタネタもほどほどにしないと」
「まあよい。今回ここにワタクシがいるのはこれである! どすん!
 いよいよコンフュージョンコントラクト、次回で連載最終回である!
 これはその最終回直前スペシャル!
 この案内役は同著者の作品『鉄研でいず!』のエビコー鉄研総裁であるワタクシと」
「私、芦塚ツバメでおおくりします! ヒドいっ!」
「うぬ、ヒドくはなかろうに」
「でも、なかなか時間かかったわよねえ」
「著者が最近少なくなった重めの王道SFシリーズを書こうと頑張りすぎて、結果知恵熱出して大きくロスタイムしてしもうたからのう」
「著者さん、また無理しちゃって」
「小松左京先生は40歳で日本沈没を書いた! 我が著者44歳でこの程度の重さでは先行きに不安しかない! しかもその無理は作品にすでに出ておるのである。
 このSFシリーズ、数々の問題をすでに抱えておる!」
「え、なんですか? でもありそうだなあ。うちの著者も間抜けだから」

■暗号通貨話がめんどくさい問題
「スルーしても大丈夫かなと思うけど、でももうちょっと書きようがあったんじゃ……」
「実際の暗号通貨にも使われておるプルーフオブワークの仕組みなどは大変興味深いのだが、いささかすでに人口に膾炙しておる。ここはSF作家としてもっと先進的な設定を思いつくべきであった!」
「でもそんなの思いついたら著者、小説なんかかかないでエンジニアになるべきですよ。小説は儲からないですよ。とくにインディペンデント出版は正直キツいです。実売部数の印税は少なすぎます」
「しかしエンジニアへの転身もできない才覚の乏しさが我が著者なり。ゆえその甲斐性の乏しさで離婚した元嫁さんともいまだに孤独怖さに別れもできず、結果元嫁さんにまたまた精神的DVを食らって七転八倒しておる。実に情けない!」
「やっぱりうちの著者はまともに人並みの生活とか結婚とか、もともとやりようがなかったんですよ。いい加減もう諦めればいいのに」
「労働は国民の義務であり、稼げない人間は目立たないように死んでしまいなさい、という福祉も労働政策もクズな我が国において、我が著者は棄民の対象である。内部障害すら自己責任なのだ。こんな社会はすでにこの小説のディストピアを越えた真のディストピアであるのだ。現実社会がみるみるうちに書く以上に酷薄な社会になりつつあって、小説に書くのがとてもむなしくなっておったらしい」
「それで鳴門さんの鬱積のシーンがあるわけですね」
「すなわちそういうことなのである!」

■戸那美なのか戸奈美なのか戸奈実なのか問題!
「ヒドいっ! いくらフォントで見わけにくいからって! うちの著者に注意力とかいろいろないのはわかってるけど、ほんといい加減対策したら良いのに!」
「けっこうそろえるのがめんどいらしい。用事表作るのも一策であろう。著者はIMEの誤学習のせいにしておるが、そもそも命名の時点でナニであろうの」

■わりと死人多め問題!
「SFは絶滅させてナンボ、戦記は大量に殺してナンボって言うけど……ねえ? 東京も大量破壊兵器で壊しちゃったし」
「じつはアクセス解析の結果、死ぬシーン、殺戮シーンが多いとアクセス数が上がる現象を発見したのである!」
「ヒドいっ、ヒドすぎる!」
「うむ、やはりそこには何らかの機序があるのだろうのう」
「でもアクセス数ほしさに殺しちゃいやですよねえ」
「うむ、著者も大きな人死にのシーンは書いていて精神的にかなりツラいようだが、物語においては構築するのは壊すため、なのである! これは鉄則なり!」

■主人公シファのポンコツ化問題!
「せっかくクールな守護天使だった無敵の戦艦シファさまなのに今じゃ母艦内で低血圧でフラフラしてるとか、いくらなんでもヒドすぎます!」
「台詞も「てへ♡」とか、キャラが崩れはじめておる! これは苦情電話びびびなのである!」

■グラファイトさんの嫉妬深すぎ問題!
「いやー、あれは仕方ないと思う。たしかに試験機って悲しいわよね。それにあの感情、割と多くの人にササる感じだし。でもあんな強く怨んだまま、どうやって最終回のエンドマーク決めるの?」
「著者の非力な筆力では、やはり不安しかないのである!」

「というわけでいよいよ最終回である」
「ああああ、これじゃ不安しかない……大丈夫かなあ」
「まあ、でも読めばわかる! であろうの。書き手の腕の見せ所、真価が問われるのだ。期待を裏切らぬ最終回にせねばならぬ。しかし著者の手元ではエンディングまで、すでにできつつあるようだぞ」
「どうなっちゃうんだろう? グラファイトもシファも、どういう結果に? アメイジンもどうなるの?」
「うむ、それはワタクシにもさっぱりわからぬ」
「そうですよね……」
「それでこそまさに! 望ましい最終回といえよう!」
「そうですね。最終回の次回、読者の皆さん、どうぞお楽しみに!」
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登場人物紹介

シファ(シファリアス)

 BBN-X、時空潮汐力特等突破戦闘艦シファリアス級の1番艦、ネームシップ。最新鋭の心を持つ女性サイズ女性型戦略型宇宙戦艦。第2次近代化改装を受けて搭載する武装や機器とシステムプログラム・ウイングナイトシステムがアップデート、大幅に刷新された。

 大学時代から内閣調査庁調査官・鳴門と恋仲にある。新淡路大学卒業後幹部教育隊を経て、独力で行動可能な戦艦である自身を指揮の執れる1佐格を持っている。しかし搭載する行動支援システムZIOTの支援がなければ自転車にすら乗れないほどの運動音痴。「ウイングナイト」「クールな守護天使」のはずがいつのまにかポンコツ戦艦呼ばわりされるに至っている。

ミスフィ(ミスフィオス)

 シファ級の2番艦、姉妹艦で妹に当たる。女性形女性サイズ戦艦。BBN-Xになるための近代化改装をまだ受けていないためにBN-Xと呼ばれる。艦番号73。

防衛大学校卒業、幹部教育隊を経て第99任務群配属後に香椎2尉と恋仲となるが、どういう恋愛をしているかは不明。というかレースクイーンの刑ってなんだ? そういうところが周りからは怖がられている。

 通常の言葉を話すのが嫌いなのでいつも同意と否定の電子音とメッセンジャーの文字で会話する。失声症に近いかも知れない。だが戦艦としての武装の他に、超音波域の波長の叫び声でさまざまなセンサーを麻痺させる音響麻酔能力を持っている。耳もシファと違いエルフ耳のような形状になっている。

 他にもいろいろとミステリアスな要素を持っているが、その実、姉であるシファを強く敬愛している。

戸那実3佐

 シファとミスフィの所属する第99任務群の指揮幕僚。司令の宮山空将補を支え、シファとミスフィの作戦を立案・支援する。

 防衛大学校首席卒業の才媛なのだがいろいろと素行不良なことがあって(とくに整理整頓が苦手。それでもいっっぱんじんに比べればきちんとしているのだが)、それで指揮幕僚課程を進んでいても出世の目はないと思われていたところを宮山司令にスカウトされて現在の配置にいる。以前は重巡洋艦〈みくま〉に乗り組んでいたがそのあとずっとこの99任務群に所属している。

 視力が弱点で眼鏡着用なのだが、コンタクトレンズや視力アシストを使っている時も多い。

香椎2尉

 陸戦のエキスパートだが現在第99任務群に所属、〈ちよだ〉にセキュリティ担当として乗り組んでいる。そのままでは練度がなまるので連合艦隊司令長官附で陸戦用新装備の試験の仕事もしている。いつもパワードスーツ搭乗用の迷彩レオタードでうろうろしていたり、異常なほどの大食らいだったり、なかでも豪華プリン好きであきれられているのだが、それでも敬愛されているのは彼女が苛烈なUNOMA(中央アジア暫定統治機構)の武装警察軍の任務の中、最大の窮地から多くの部下をその名指揮によって救い出した英雄であることと、とぼけながらも聡明なところを垣間見せるギャップによるのかもしれない。

 ミスフィの恋人でもあるが、ミスフィとどういう恋愛をしているかはほかのみんなは怖くて聞けない。

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