第28話 妻によるDV

文字数 1,002文字

 保育園のお迎えに来ていた父が帰る時、子供用のハーフサイズのペットボトルを持ち帰った。実家のほうでリサイクルに出すつもりだった。
 妻が帰ると「ペットボトルは寝かせる時に、少しお茶を入れておくのに使いたかった」と怒り出した。
「知らずに持って帰っただけだから、明日持ってきてもらうから」と謝った。
 夜十時頃、寝かしつけを終えた妻が、ペットボトルのことで、再びキレた。
「いつもペットボトルをリサイクル用に持って帰ってもらっていて、他のと同じだと思って持って帰っただけだから、明日必ず持ってきてもらうから」
 私は明日持ってきてもらうことを何度も何度も説明し、謝った。
「他のペットボトルのことなんか知らん! あんたらが勝手にやってるんや!」
 一切の説明は通じず、妻の激昂は続いた。
 娘の保育園についても、妻はキレた。
 私の父は保育園に遅くまで預けておくのはかわいそうだと、夕方四時に迎えに行っていた。
「私は母親だから、五時半に自分で迎えに行きたいんや!」
 意味不明な理屈で、大声を出し続ける。
 保育園の迎えのことについては、直接言ってほしいと父から言われていた。
「今から電話するから、自分で話してくれ」
 そう言って、携帯電話を持った。
「電話するな!」
 大声を上げ、私の右手を血が出るまで何度もかきむしる。
「あんたのやっていることは、言葉の暴力なんや!」
 意味不明のことを叫びながら、私の左手を平手で何度も叩いた。
 同じ言葉を話しているのに、意味や意思は通じ合わない。
 まるでホラー映画のような家庭だった。
 あの頃は地獄だったけど、今はただ哀れな人だと思う。けれど、二度と一緒に暮らしたいと思わない。また地獄に落ちるだけだから。

 妻と同じ傾向を持つ人には、ぜひ忠告したい。
 もし子供の頃に自分自身に精神的な障害があることを知っていて、いつか結婚したいと思う人が現れた時には、相手には障害について包み隠さず話したほうがいい。破談になるのが怖いからと嘘をつかないでほしい。結婚までの間どんな演技で繕っても、毎日一緒にいるようになれば、結局、本来の性格なんて、すぐにばれてしまうもの。あとは、地獄が待っているだけです。
 幸せな結婚生活なんてありません。よく心得ていてください。
 それでも受け止めてくれる相手なら、問題が起きた時、きっと一緒に解決の道を模索できるはずです。
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