自分にしかわからない

文字数 885文字

僕が言う「孤独」って、とってもやっかいで、

それが嫌なくせに、自分からそこに陥っていく感覚があるんだよね。

確かにそうだな。

「そんなことない」と言葉をかけたくなるんだが、

それでも自ら周りを突き放してでも、そこに向かっていくような感がある。

自覚はあるのか。

うん。自覚はある。極端だとも思う。

でも、根本的に、「僕のことは僕にしかわからない」と思っている、

それも、かなり幼い頃にそう思ってしまってから、

今の今までそれが変わらずにきているように思うよ。

思って「しまった」と表現するんだな。

うきよ自身はそれを、あまりよいこととは捉えていないみたいだな。

そうだね。ややこしい、何か、ほどけない結び目のように、

ある時にできて「しまった」ものだと思っているよ。

まるで、ちいさな僕が、心の隅で膝を抱えて、

ずっといじけたままいるような、そんなイメージがある。

ああ、イメージすると、まさにそういう孤独だな。

わかってはいるんだけれど。

そうなのか。

だからこそ、その子どもは、無邪気に温もりを求めて戯れてくることもあるわけだ。

なんか、わかってくれているいさおに言われても、

その表現は恥ずかしいな(苦笑)

そうなんだよ。

「わかるはずがない」と思っていながら、やっぱりどこかで、

「わかってほしい」と思っている自分もいて。

自己矛盾、だと思っているのか。

ある意味で、どちらの論理も理解できるけれどな。

でも、そんな自分を自分で許せないんだろう。

そう。結局はそういうことなんだ。

自分で自分が許せない。

意地を張るのをやめられない自分が許せない。

周りの優しさを受け入れられない自分が許せない。

そしてまた、独りになろうとしてしまう。

まあ、いいんじゃないのか。

それでも、こうして俺たちと一緒にいてくれるだろう。

割り切れないことを抱えているからといって、

一緒にいてはいけないなんてことはないよ。

そう言ってくれる人、そう言ってくれる存在がいる僕は、

本当に幸せなんだと思うよ。

その幸せを感じられないことにもまた、自己嫌悪を覚えてしまったりもするけれど。

まあ、自分の中でぐるぐる考えすぎないように、

言葉にして置いていくことにするよ。

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登場人物紹介

名前:うきよ

一見なにも不自由なく生きてきたようで

幼い頃から言い知れぬ孤独を感じていた

それでも普通のどこにでもいそうな青年。

筆者本人の心の声。

名前:いさお

うきよの数少ない友人であり理解者。

聴き役であり、一緒に考えるだけでなく

一緒に悩み生きてくれる存在。

名前:かなで

うきよの姉のような存在であり

初恋の人でもあり、常に心の支え。

いまはお互いに「大切な人」という

関係の中で安心している。

名前:うきよ(子ども時代)

時おり登場するうきよの子ども時代の心。

時に問いかけ時に応える、心の声であり

今もうきよの中で生きつづけている

素直で正直な心のあらわれ。

名前:かつお

鰹ではなくカツオでもなくかつお。

よくわからない。

でも魚だということは確か。でも喋る。

ちなみにうきよは魚好き。

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