詩小説『みなと』3分の風景。みなと町のひとへ。    

エピソード文字数 496文字

みなと‐onomichi-

ウイスキーの空ビンに詰める、四つ折りの手紙みたく、海に流して、浮かばせて。
拾ってくれた誰かに、届けたいわけじゃなく。

この街、すみのすみ、すきまとすきまの方、片隅で喉を鳴らす野良猫のような物語を。

船に乗り込まず、ここで見送るよ。
船が桟橋に着くのを、ここで待ってるよ。
ここに君はもう居ないけど、つぎはぎしたエピソードが寄添うよ。
汽笛が鳴った。みなと。

古びたアンティークが並ぶ、みなとのそばにあるお店。
古くから、売れ残っている絵画は誰も気付かない、届かない。

古民家から聞こえてくる、途切れ、途切れ、ピアノの音。
キーを外しては、もう一度同じとこ弾くような、物語。

船に乗り込まず、ここで見送るよ。
船が桟橋に着くのを、ここで待ってるよ。
別れがどうして、淋しいのか、書きかけの物語がそこで途切れるから、1ページにワープして戻ることは出来ないから。
煙突から煙が浮かぶ、みなと。

船に乗り込まず、ここで見送るよ。
船が桟橋に着くのを、ここで待ってるよ。
ここに君はもう居ないけど、つぎはぎしたエピソードが寄添うよ。

汽笛が鳴った。みなと。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

主人公はあなたです。それぞれの恋愛模様を『詩小説』で。

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み