27:自作自演の誘拐が思わぬ悲劇へと発展する『ファーゴ』

文字数 3,875文字

みなさん! 『ファーゴ』ですよ『ファーゴ』!!
わーい! 『ファーゴ』だー!
『ファーゴ』知ってる?
んーん、はじめてきいたー!
いぇーい!!
いぇーい!!
……相変わらずわけのわからないノリね。
ということで今日は『ファーゴ』の紹介だよ。
実はこの映画のこと、ずっと名前しか知らなかったんだよね。
何か観たキッカケがあったのかしら?
いや、レンタルショップに行って見かけたから借りてみただけ。
ちなみに一緒に借りたのは『アバウト・タイム』って映画。
その映画は面白かったの?
うん。『アバウト・タイム』も凄く面白かったし結構泣いたよ。
ただここでは紹介しないかなー。
えー、なんでー?
んー、感覚的になんとなーくなんだけど……
それっぽい理由を言うなら賛否両論がハッキリ分かれそうだからかな。
へぇ。映子は面白いって思ったなら今度個人的に観てみようかしら。
あ、うん。オススメはできるよ。
恋愛映画だし恋美ちゃんも大丈夫。
……あれ、今日はなんの映画の話だっけ?
『ファーゴ』だよ、『ファーゴ』!!
オウ! 『ファーゴ』!!
『ファーゴ』!!
もうそのノリは良いから、早く紹介始めなさい。
はーい!
それじゃいつもの予告編(You Tube)をぺたりこ。
この真っ白くて物悲しい雰囲気が凄くいいんだよね。
そこそこ古い映画みたいね。
1996年って書いてあるから20年前かー。
予告が古いやつだからちょっと目立つかもね。
私はBDで観たんだけど全然気にならなかったよ。
ということであらすじへGOします。
――あらすじ――
これは実話の映画化である
えっ、なんか始まった!
実際の事件は1987年 ミネソタ州で起こった
へぇ、ドキュメンタリー的な映画なのかしら。
生存者の希望で人名は変えてあるが――
死者への敬意をこめて
事件のその他の部分は 忠実な映画化を行っている

F A R G O
わー、ぱちぱちぱちー!
という冒頭演出が有名なので真似してみました!!
なお、実際にはフィクションです!!
ウソなの!?
うん。雰囲気を出すためのネタなので、実際には事件は起きてないよ。
そういうことね。
普通に騙されたよー。
知らなきゃ信じるよねー。
さて、この映画はノースダコタ州ファーゴにある酒場から始まる。
ジェリー・ランディガードという男が自分の妻の誘拐を依頼するため、
怪しげな二人の男を尋ねてきたんだ。
奥さんの誘拐を自分で依頼したの?
何のためにそんなことをしたのかしら。
ジェリーはお金が必要だったんだ。
そこで奥さんの父親、つまり義父がお金持ちなことに目を付けて、
身代金をだまし取ろうと考えたの。
狂言誘拐ってことね。
依頼相手はカールゲアというチンピラ二人。
カールは変な顔でよく喋る小男。ゲアは真逆で無口な大男だね。
自動車販売業を営んでいたジェリーは、会社から持ち出した
『茶色のシエラ』を仕事用かつ成功報酬として二人に渡し取引する。
酷い人だ!
奥さんは優しくて良い人だし、子供もまだ中学生くらい。
ジェリーも少しお金を騙し取る以上の悪気は無かったと思うんだ。
まぁ……同情はできないわよね。
それからしばらく経ったある日。
奥さんが家で一人、テレビを観ながら編み物をしていると、
突然窓の外に目出し帽をかぶった男が現れて家の中を覗いてきた。
あまりの非現実さに呆然とその様子を見るしかできずにいると、
その男はバールで窓ガラスを突き破って家に入ってくる。
そこでようやく逃げようとするんだけど、ドアからもう一人も現れて、
計画通りに奥さんは誘拐されてしまうんだ。
その誘拐犯がさっきのカールとゲアなんだね。
家に帰ってきたジェリーがそのことに気がつくと、
さっそく義父に電話して奥さんが誘拐されたことを報告するんだ。
だけど、この日から事件はジェリーの思惑を外れていくことになる。
夜。奥さんを乗せた茶色のシエラが道を走っていたんだけど、
カールのちょっとしたミスによって警察に呼び止められてしまうんだ。
お! 奥さん助かるかな!
カールは必死に誤魔化そうとするんだけど失敗。
そして、いよいよバレそうになったその時、
ゲアが警察官を射殺してしまうの。
射せ……
射殺!!
そんなこと大声で言うだなんて物騒よ。
誰のせいよ誰の。
わ、私……!?
気をつけなさいよ。
いやいやいや恋美ちゃんだよ恋美ちゃん。
ボケにボケを重ねないの。
えっと、それでゲアは警察の始末をカールにやらせるんだけど、
不運なことに車で通りかかった一般人がその様子を目撃してしまう。
そしてゲアはすぐさま一般人を追いかけ、そのまま殺しちゃうんだ。
どんどん被害が大きくなってく……!
もう二人も被害者が出てしまったわね。
あ、一般人は二人居たから、合計三人だね。
どうしようも無い感じになってるわね。
そう。当然、この殺人事件はすぐに警察の耳に入ることになる。
捜査に乗り出したのはマージという女性警察官。
彼女は妊娠中なんだけど、その優れた観察力と聞き込み捜査によって
どんどん事件の手がかりを掴んでいくんだ。
カール達は殺人をきっかけにジェリーに身代金の値上げを要求。
ジェリーの義父は「俺が娘を救い出す」と言って奮起。
マージはやがてジェリーの自動車販売店を突き止めて調査に来る。
自業自得とは言えゲームオーバー間近だね。
映画的に考えて「誰が死んでもおかしくない」この状況。
ネタとはいえ監督はこの映画を実際に起きた事件と前置きしました。
……さて、この映画が迎える結末はどうなるのか。
それを目撃できるのは、画面の前の君だけだっ!!
――『ファーゴ』の魅力――
この映画はとにかく「真っ白」なイメージが強いんだよね。
土地柄なのかはわかんないけど、雪が凄く積もってるから、
どこもかしこも真っ白で……
……あ、そうか……だからラストのアレが凄く衝撃的なんだ……
なんか自分だけ納得してる!
ごめんごめん。この映画のラストシーンで凄い演出があるんだけど、
なんで衝撃的だったのかが今わかったからつい驚いちゃった。
それはそれで凄く気になるけどね。
まぁとにかくその「白さ」が殆どの場面に映ってるから、
その印象が凄く強いんだよね。
予告動画でも最初の殆どが雪の中だもんね。
そそ。
あと予告動画で言えばタイトルが出て来るまでに流れてるBGMね。
これが随所で流れるんだけど、物悲しい雰囲気とかが最高。
ジャンルはクライム映画ってことなんだけど、
そうすると全編通して暗い雰囲気なのかしら?
いや、どちらかというと結構コメディ寄りの演出が多いんだ。
ストーリー展開は全然コメディじゃないんだけど、演出のおかげで
陰鬱とした雰囲気にならずに最後まで観られるよ。
あと意外と血が出てこないね。
それは嬉しいわ。
そういえば予告の1分18秒に出てくる二人組の笑ってる方。
多分、カールかな? どこかで見たことある顔だなー。
スティーヴ・ブシェミって俳優さんだね。
色々出てるし結構強い顔してるから、何かで観たんだろうね。
あ、『スパイキッズ2』だ!!
なんか博士みたいな役で出てた気がする!
あー出てた出てた。確か3にも出てた気がする。
懐かしいわね。3って3Dだったんじゃない?
多分まだ赤と緑の3Dメガネだった頃かな―。
今は3Dメガネって色ついてないからねー。
今のあの色なしメガネってどうなってんだろうね。
なんで浮きあがって見えるのか意味がわかんない。
きっと人がメガネを駆けた瞬間に画面が浮いてるんだよ。
センサーとかで。
センサー凄い!!
そんなわけないじゃない……
えー、じゃあなんで浮き上がるのか教えてよー。
そうだそうだー!
え、いや、それは……
わくわく!
わくわく!
……ゆ、夢と希望……で……
…………
――まとめタイム――
さて、今回は『ファーゴ』をご紹介しましたがいかがでしたか?
もしも少しでも興味を持ってもらえたなら、
いますぐ近所のTSUTAYAへダッシュしましょう!
ねぇ、映子ちゃん。
ん? どうしたの?
恋美ちゃんが隅っこでプルプルしてる。
………(´;ω;`)
あれは……仕方ないよ……
我々にはどうすることもできないんだ。
大丈夫。恋美ちゃんは強い女の子だ。
次回にはきっといつものように復活してくれるはずだよ。
だから、今はそっとしておいてあげよう……
……そっか。そうだね!
今は全力で今回のまとめをやらないとだね!
そういうことさ!
ところで今回の『ファーゴ』ってタイトル。
これは冒頭に酒場のあったノースダコタ州ファーゴが由来なんだけど。
うんうん。
この酒場以降、ファーゴは出てこないんだよね。
ほかは全部違う地名の場所が舞台なんだ。
えっ、そうだったの!?
じゃあなんで『ファーゴ』なんてタイトルに?
この映画の監督が
「他の地名よりファーゴの方が面白そうに聞こえるから」
とかそんなことを言ったらしいよ。
確かに『ファーゴ』ってインパクトあるよね。
ついつい口に出して言ってみたくなるよね。
『ファーゴ』!
『ファーゴ』!
……と、このノリはこれくらいにして、
そろそろ次回の映画を決めないといけないね。
どういうジャンルがいいかな?
そういえば『スターシップ・トゥルーパーズ』は?
確か『タッカーとデイル』の時に紹介したいって言ってたよね。
あ、いいかも!
だけどその場合は恋美ちゃんがお休みだな。
チラッ
………((((((´;ω;`))))) プルプル
さっきよりもプルプルしてる。
思ったより心の傷が大きかったみたいだね。
復活に少し時間かかりそうだしちょうどいいかな。
よし、それじゃ今回は次回予告クイズは無しで。
次回は『スターシップ・トゥルーパーズ』の紹介をします。
一応言っておくと、結構グロいです。
わーい。楽しみだ―。
それではみなさん、次回をお楽しみに!
ハッピー映画ライフ!
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

名前:映子(えいこ)

映画好きな女子高生。
「ホラー映画大好き! だけどスプラッタ系が専門。
 だって和ホラーは怖いんだもん……」

名前:恋美(こみ)

映子の同級生で親友。映子ほどは映画を観なくて、どちらかというと漫画を読むのが趣味。でも変な映画を知ってたりする。
「特に好きなジャンルとかは無いけど、比較的ラブコメとか好みね」

名前:芸夢(げいむ)

突然現れた高校3年生。映子たちの先輩。
実は幽霊だけど、特に設定が活かされることはない。
ゲームが好きで、映画知識は恋美ちゃん以上映子ちゃん未満。
「映画はあんまり詳しくないけどがんばりまーす! 応援してねー!」

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色