4.共感と反発

文字数 1,062文字

サザンの歌詞が共感できるのは
固有名詞はなくとも情景が浮かぶから。
解釈の仕方も一つじゃなくて良いから
様々な受け止め方があっても良い。
さらに言えば聴くときの気分によっても
解釈が変わる。

「秘密のデート」ではメジャーなベイブリッジが出てくるが、どうもレインボーブリッジと間違えているようである。
出てくる店もそれを目当てにくるほどのメジャーな場所ではない。店はキーではない。

ユーミンの「ドルフィン」は一度は行ってみる場所なのとは対照的。
因みに「シーガーディアン」の高価さは「ドルフィン」の比ではない。(馬車道から脱線)

よく出てくる解りやすい固有名詞は「烏帽子岩」「江の島」。
固有名詞というより湘南の記号である。
とにかく海、海と言えば湘南。
チューブの歌う湘南が青のなに対し、
サザンの歌う湘南にはいろんな色彩が溶けている。

「いろいろあるけどさ、ガンバロー」

そういうトーンの歌が多い。

「いろいろあるど」が歳をとるにつれ曖昧なものから、明確なものになってきていると思う。
我々もそこに自身の経験を重ね合わせるから、
さらに説得力をもつ。

聴かないので偏見もあろうが
最近の歌(AKB系やEXILE系)はガンバローと言いっ放すだけ。自身の努力より踊らされている感で言葉に重みがない(音楽性で売れたのではない、という意味)。ただ薄っぺらい掛け声の「頑張ろう」になっている。

サザン(初期でのコミックバンド扱いや桑田さんの癌)のように、逆境を超えてきたものが歌うものには説得力がある。
成功者の綺麗事を超えることができる。

AKBやEXILEは何の物語性もないから、次々と派生ユニットを作って強制的に物語を創っているように思える。

[なんでもいいからガンバロー」みたいなw

それらは努力なんてそんなにしなくてもいいんだよと若者の耳に優しく聴こえる。
「君はよくやった、目の前には果てしない未来が拡がっている」と。無責任だな。
No.1に結果なれなくても、No.1は目ざさないと、その道のプロにはなれない。

マッキー作の「世界に一つだけの花」はその極み。努力をすることなく認められたい。
それを見つけてあげなければ親としてだめと言っているかのような歌詞。これで僕はマッキーから離脱した。

浜崎あゆみには、ありえない逆境を乗り越えたそんな歌詞が多いかと。だからちょっと現実味がない。
ちょうどこの頃、ありえない不幸な主役設定のドラマが増えた。そのドラマのストーリーと主題歌がシンクロしていた。
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