第3話 「放課後」

文字数 868文字

── 学校 夜 ──

18:00

なるとリョウケンはカバンを持ってゆっくりと渡り廊下を歩いている。


リョウケンは野球ボールをいじっている。

今日はありがとね、

マネージャーが急にドタキャンしたからさ、助かったよ!

うんうん、甲子園、絶対に優勝しようね!

そうだな。

最後の最後でやらかさないようにしないと…

大丈夫だって!

それが前にいたらしいんだよ、

優勝できそうだったのにバッターの1人がやらかしたっていう…

そうなんだ…

やっべ、教室に忘れ物しちゃったわ!

なるとリョウケンは立ち止まる。

ゴメン!先帰ってて!

なるはリョウケンに手を振って見送っている。

うん!

気をつけて!また明日!

サンキュー!!!

なるも塾、頑張れよ!

手を振り終えたなるの元へ、よっちが現れる──。


なるはビックリした表情でよっちに話しかける。

あぁ。

よっち…今日、部活来なかったんだね…

あぁ…

なるは少し歩きよっちの肩を叩き去ろうとする。

もう…甲子園前なんだからちゃんと練習には参加しないとダメだよ!

よっちはなるの前に回り込む──。

なる…

なるは立ち止まりよっちの方を見つめる。

ん?

どうした?

実は、ずっと前からなるの事が好きでした…

よっちは、下を向いて右手を差し伸べる。

良かったら、僕と付き合ってください!

なるは下を向いて謝る──。

よっち…ゴメン…

よっちは頭をそっとあげ浮かない表情を見せる。

なるはよっちの横を通り過ぎるが、振り返ってなるの右腕を掴む。

どうして…?

なるは上を向きながら唇を少し噛み、泣きそうな顔をする。

私、ずっと前から好きな人がいるの…

……。

ずっと好きなの…

よっちは掴んでいた腕をそっと離す──。

ゴメンね。

私、このあと塾があるから…

よっちはそっと上を向き泣き始める。


すると、いっちーが校舎裏近くでよっちの事を覗いている──。

振られてやんの…

りっちゃんがいっちーの元へ現れる。


いっちーは呆然とよっちを見つめる──。

ゴメン、ゴメン!

お待たせ!!!

……。
いっちー?
あぁっ…

ごめん、行こっか!

よっちは校舎裏で落ち込んでいる──。
果たして、花園成美の好きな人とは一体、誰なのか…!?



つづく

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