第11話 健康と食

文字数 1,072文字

吾々はどうやら食べ過ぎのようだ。殆どの身体の不調は食べ過ぎに因を発しているのだという。
ここ4年間で体重は20kgの高低を経て、現在は80程、ウエストも15cmの太細で現在は80程、身長は183強だと思われるので、最軽の頃の方に戻って、75kgくらいに戻したい。最重93、最太94にはもう戻りたくはない。
最近は食べずにいられず、空腹に耐えられないようになっている。ダイエットを成功させるのに最も有効なのは「赤貧」になること、これに如くはない。
加えて、北国ゆえ、雪のため自転車で出かけられず、運動不足で、こうして打鍵していることが多いため、せめて食だけでも少なくしたい。
空腹になると身体がそれに反応して、細胞が修復されるのだという。動物も怪我などをすると何も食べずじっとしているのは早く回復できるからなのだそうだ。
ヒポクラテスも断食の健康への有効性、長生きの秘訣であることを言っていて、過食は罹患、短命の原因であるとの由。癌に罹患したら、栄養を摂るのではなく、癌細胞に栄養を与えないよう、食を控えるのが有効なのだと有識のお医者さんが言っている。
日本人は遺伝的に太りやすく、それは飢餓などを歴史的に経験して来たため、それを生き抜くため、そういう体質を獲得して来た結果なのだそうだ。
だとしたら、鼓腹撃壌は短命への道標だったのだろうか。まあ、世が騒がしかったら、争いで平均寿命は伸びぬのかもしれぬ。クオリティ・オブ・ライフという価値観もあるので、どこに幸せを見出すか、によるのだろう。恵まれすぎるのが、自殺者の多さに影響しているように感じられる。
苦しみは避け、快さを求めるのは人間存在の習性であるが、過度の快感は苦となり、適度な苦しみは人生のスパイスとして吾々のディッシュを美味なものとするだろう。
過度の苦しみに耐えられず、自らを滅する人は多いが、それを幾つも乗り越え、その体験を苦しみ惑う人に話し、寄り添えれば大きな功徳となるだろう。
どんなにいいことをしても人は死ぬ。悪いことをしているように見える人も長生きすることは少なくないだろう。つまり、善悪はただの自身に備わった物差しで、究極的に誰も悪いことも善いこともしていない。ただ、ベビーフェイスとヒールの役を演じているだけ、そういう説明もある。
ただ、生きているなら、大いに泣き、怒り、喚き、打ち拉がれ、一緒に大笑いし、歓喜の涙で交歓したい。
人はいつ死ぬかは誰もわからぬ。だが、少なくともあと100年は様々な味わったことのない感激を縁ある人々・存在と体験して生活する、そんな預観がある永遠の5歳児である。



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