第9話 街中の暗闇
文字数 1,357文字
朝、目覚まし時計が鳴る前にネイビーに叩き起こされた。
「いったいなあ、もう。まだ6時じゃないか!」
「俺たちには時間がねえんだよ。お前はもっと強くなんなきゃならねえ。さっさと支度しろ。」
「どこかへ行くの?」
僕はパジャマを脱ぎながら聞いた。
「俺たちの敵、夕闇族は夕暮れ時活発になる。そして今の時間帯はフルパワーで動けない。だから今から地上に潜伏している妖魔どもを掃除しに行くんだよ。」
「(面倒だな……)でも僕学校があるし……。」「学校なら消しておいたぞ。」
「!??」
余りに突然の事で面食らった。
「がっ、学校を消したって?!僕は小学生なんだ、これからどこへ通えばいいんだよ!!」
「お前にはあんな所に通ってる時間はないんだよ。黒の宝珠を使って学校というものを消しておいた。天界で許可を取ってきた上でな。」
「……、。」
「いやだとは言わせんぞ。」
なにがなんだかわからないけど、勉強しなくていいならラッキー!!
「ニヤニヤしてる暇があったらさっさと顔でも洗ってこい!」
僕は軽く小突かれてしまった。
まばらではあるが、人の行き交うこの町の何処かに夕闇族が潜んでいる。
「奴らは太陽の光に弱い。それこそ弱ければ浴びただけで死んでしまうぐらいにな。」
僕は目の端に暗闇を捉えた。
「ネイビー、あの露地だけ暗いよ。あそこに夕闇族がいるんじゃないかな。」
「ああ、行ってみるぞ!」
ジメリとした風が吹き、淀んだ空気が漂うその露地はついこの間僕が左側一世と出会った場所と同じ雰囲気だった。
頭上からドロリと黒い物体が落ちてきたと思ったらそれは人の形をとって襲いかかってきた。
「どけ!」
僕がその声に振り返ると同時に黒い槍が敵の体を貫いた。
「油断をするな光一郎!ここに踏み込んだ時から既に掃除は始まってるんだ。この空間を生み出している“暮れ球”を壊せ。」
敵が壁から、地面から次々と生えるように現れる。
僕も光の剣で敵を切り裂き、バリアーで敵のビームのような妖術を防いで更に宝珠から光弾を飛ばし、敵を散らした。
「こう敵が多くちゃキリがないな、どうしよう。」
背後から壁を砕く音がした。赤い目をした妖魔たちが波となって流れてくる。
「これじゃ剣が追いつかない!」
光一郎は妖魔の群れに光の剣を投げつけ炸裂させ、その間に光の筒を作って宝珠を握りしめている左手にはめた。
「これでも喰らえ!」
大砲のように大きな一発を群れの中央に放ち、空中に分散したところをマシンガンのようにして撃ち抜いた。
その時突如として空が晴れ、暗闇が解けた。
「あれ、もしかしてもう球が見つかったのかな。」
ネイビーは屋根からスタリと降りて言った。
「暮れ球は見つかった。さあ次のところへ向かうぞ。」 「えっ?」
まあなんとなくは予想はついていたんだけどね……。それでも聞き返してしまう。
「これで終わりじゃないの?」
「当たり前だ。妖魔は影がある所ならすぐ住み着きやがる。今日は日が暮れるまでひたすら妖魔の巣を潰しまくるからな。飯以外は全て雑魚掃除だと思え!」
うへえ、学校の授業の方がずっとマシだ!
僕とネイビーを差す陽はまだ東に大きく傾いていた。
「いったいなあ、もう。まだ6時じゃないか!」
「俺たちには時間がねえんだよ。お前はもっと強くなんなきゃならねえ。さっさと支度しろ。」
「どこかへ行くの?」
僕はパジャマを脱ぎながら聞いた。
「俺たちの敵、夕闇族は夕暮れ時活発になる。そして今の時間帯はフルパワーで動けない。だから今から地上に潜伏している妖魔どもを掃除しに行くんだよ。」
「(面倒だな……)でも僕学校があるし……。」「学校なら消しておいたぞ。」
「!??」
余りに突然の事で面食らった。
「がっ、学校を消したって?!僕は小学生なんだ、これからどこへ通えばいいんだよ!!」
「お前にはあんな所に通ってる時間はないんだよ。黒の宝珠を使って学校というものを消しておいた。天界で許可を取ってきた上でな。」
「……、。」
「いやだとは言わせんぞ。」
なにがなんだかわからないけど、勉強しなくていいならラッキー!!
「ニヤニヤしてる暇があったらさっさと顔でも洗ってこい!」
僕は軽く小突かれてしまった。
まばらではあるが、人の行き交うこの町の何処かに夕闇族が潜んでいる。
「奴らは太陽の光に弱い。それこそ弱ければ浴びただけで死んでしまうぐらいにな。」
僕は目の端に暗闇を捉えた。
「ネイビー、あの露地だけ暗いよ。あそこに夕闇族がいるんじゃないかな。」
「ああ、行ってみるぞ!」
ジメリとした風が吹き、淀んだ空気が漂うその露地はついこの間僕が左側一世と出会った場所と同じ雰囲気だった。
頭上からドロリと黒い物体が落ちてきたと思ったらそれは人の形をとって襲いかかってきた。
「どけ!」
僕がその声に振り返ると同時に黒い槍が敵の体を貫いた。
「油断をするな光一郎!ここに踏み込んだ時から既に掃除は始まってるんだ。この空間を生み出している“暮れ球”を壊せ。」
敵が壁から、地面から次々と生えるように現れる。
僕も光の剣で敵を切り裂き、バリアーで敵のビームのような妖術を防いで更に宝珠から光弾を飛ばし、敵を散らした。
「こう敵が多くちゃキリがないな、どうしよう。」
背後から壁を砕く音がした。赤い目をした妖魔たちが波となって流れてくる。
「これじゃ剣が追いつかない!」
光一郎は妖魔の群れに光の剣を投げつけ炸裂させ、その間に光の筒を作って宝珠を握りしめている左手にはめた。
「これでも喰らえ!」
大砲のように大きな一発を群れの中央に放ち、空中に分散したところをマシンガンのようにして撃ち抜いた。
その時突如として空が晴れ、暗闇が解けた。
「あれ、もしかしてもう球が見つかったのかな。」
ネイビーは屋根からスタリと降りて言った。
「暮れ球は見つかった。さあ次のところへ向かうぞ。」 「えっ?」
まあなんとなくは予想はついていたんだけどね……。それでも聞き返してしまう。
「これで終わりじゃないの?」
「当たり前だ。妖魔は影がある所ならすぐ住み着きやがる。今日は日が暮れるまでひたすら妖魔の巣を潰しまくるからな。飯以外は全て雑魚掃除だと思え!」
うへえ、学校の授業の方がずっとマシだ!
僕とネイビーを差す陽はまだ東に大きく傾いていた。