榎本レン

文字数 2,740文字

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他の人は書き込んではいけませんよ!

面白かった……まさか、時を止め返すなんて……
彼女の名前は心石 花火!相撲の勉強のために、漫画を参考にしている! いわゆる、ジョ○○女子である!

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眠い……そろそろ寝よう。
花火は、重たくなった目蓋をこすりながら、ベットにいるハムスターに話しかける。

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僕に人生を楽しむ権利なんてないのかもしれない…… けれど、良い明日を目指そうと思う 頑張ろうね。夢太郎
へけっ!くしくし
おやすみなさい
* * *

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う……うーん、あれ、ここは……

花火はみたこともない、森の中を歩いていた。

一体、ここはどこだろう。身体が勝手に動く。

花火は木々の隙間から漏れる白い光に向かって歩いていく。


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あ、これ夢か、そうだよね 僕、ベッドで寝ていたはずだし。
白い光の先には広場があった。そこ一体だけ小さな草原のようになっている。

そこに兎のマスクを被った、人間がいた。もしゃもしゃと何かを食べている。

花火はその光景に思わず、口を手で覆った。

――口からはみ出る人間の指が、みえたからだ。

――自殺した親友の顔が……フラッシュバックした。

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あらあら~、夢の世界に迷い込んできましたか……

ときどきいるんですよね 夢が混線して、入り込んでくる人間が……まだ食べたりていなかったところです さて、あなたの魂も、美味しいですかねぇ~

背筋に悪寒が走るッ!――ただの夢ではない……これは……違う!――

花火の魔人としての直感がそう告げていた……

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何をしている! これはただの夢じゃない! いじめていた奴と同じような顔、快楽に走った……くっ人間を食べたのか!


ほう、夢の世界に適応するのが早い……これは、さぞかし、面白い人生を送ってきたのでしょうねぇ ――そう、ここは私の妄想が形を成した夢の世界!魂の檻! あなたの魂はこの世界に囚われました! そしてこれから……私、無現  得夢が! あなたの魂、人生をいただきます!
そんなこと、させるもんか!

無現が手を振ると、周りにある木々が枝をこちらに向かって伸ばし襲いかかってきた!

――夢の世界、なんでもありってことか――、花火は心の中でごちた。


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どうする、いや……こんなとき、漫画ならッ!(そう、眠る直前に読んだあの漫画なら!)

 (妄想しろ!あの漫画のように! スタン○のように夢の世界に能力をもちこめるのだと!、魔人能力が使えるのだと!なぜなら!ここは妄想を形にした世界!そして僕の夢でもあるのだから!)

――魔人能力発動! 花火八十二手!

花火は身体を大きく捻り、四方八方から襲いかかる木々たちを張り手により、噴出した炎で焼き払う!


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おおッ! あなた、魔人でしたか! 素晴らしいッ! 私の夢の中で能力を使えるとは!


 魔人と戦うのは初めてです あなたの人生を体験するのが楽しみになってきました! 

それでは~!これならばどうですか……

世界よ!我が妄想を形とし、その姿を変えよッ! 

――アクアッ!

無現が叫ぶと、世界が歪んだ。小さな草原だった場所は湖となった。花火はたちまち、湖の中へ沈んでいく。

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(くっ!)

はははははッ! 水の中では火は意味を成さないでしょう? さて、回収して魂を味わい――馬鹿なッ!


無現は驚愕した。湖の水が湖の底まで真っ二つに割れていたのだ……。

それはいかなる原理なのか……花火は、割れた湖の底から水を操りながら、水を足場として無現のいる上空まで登ってくる!

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ええい!何をしているッ!水よ! 奴を攻撃せよ!
湖の水の一部が、花火に襲い……かからない! すべて、寸前で花火の身体から逸れていく……

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おまえ、自身の能力を完全に把握できていないようだな

おまえ自身が言ったじゃないか ここは妄想が形を成した夢の世界だって……なら——魔人である僕が相手だと何が起こると思う?

魔人……妄想……、まさか私より、妄想力が高いから攻撃が通らないのか?……

ふざけるなよ?!この世界を作って維持しているのは私なんだぞッ!私は夢の世界の主なんだ! 

僕の妄想力は53万だ。――なんちゃって……
おまえの能力によって妄想力が世界ルールを支配すると決定づけられたならば、妄想力の高い方が勝つのは道理!

三度のご飯より妄想が得意とする魔人とは相性が悪かったな!

まあ、夢から抜け出せるのはどうやらおまえだけの特権みたいだけどね
クッまだだ、まだ終わらんよ!

妄想力の差が、決定的な勝敗に結びつくものではないということを教えてやる!

いや、終わりだ ……なぜなら—―
何を……ぐああああああ?!

花火は自らの足場にしていた、水をジェット噴射のようにし、一瞬で無現の目の前へ移動した! 張り手!張り手!張り手! 水を頼りに前後左右上下様々なところへ移動し、張り手による炎を無現にくらわせる!


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さあ、もう降参しろ……おまえに勝ち目はない 僕を解放しないと、この炎で次は顔を炎上させる

……ふふふひ、あはははははははははッ!

素晴らしいッ!私の能力を逆手に取り、自身の能力と組み合わせるとは!


やはり、無意味な現実とは違い、夢の世界は最高ゥーだああああああ……あひゃひゃひゃひゃァーッ!


(笑っているだと……?) 何を言っているんだ?……
刺激的な最高のッ! 戦いでしたッ!貴方ならばッ!私に刺激的なッ!「意味のある死」をッ!与えてくれることでしょうッ!

さぁ!どうぞッ! 私を殺してくださいッ!

あひゃひゃひゃひゃひゃァッー!

(……ゾクッ?! 狂ってる!)

——おやァ? 動揺して妄想力が弱まりましたねぇ?
その動揺が命取りとなった。 無現が指を鳴らす前に花火は攻撃できなかったのだ。

パチンという音とともに、花火の視界が歪んでいく。

そして、花火は全身の痛みと吐き気に襲われ始めた!

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何をした……!

賢い貴方ならば現実に戻ればすぐに理解しますよ さようなら炎の魔人 刺激的な戦いでしたよ


待ッ——
もう一度無現が、指を鳴らすと、その場から花火は消えた。

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魂を沢山喰らっていなければ、私も◯◯し、魂が劣化していましたねえ


夢の中で実体化した魂は肉体と同じように劣化する……

魂が劣化すれば現実の肉体にも……


この方法、劣化が進みすぎた魂は腐って食べられなくなってしまうのですよ できれば、使いたくなかったのです


……さて、新しい魂を補充しなければねえ あひゃひゃひゃひゃァッー!
(僕は理解した。あいつが何をしたのかを……)


時間を進めたのか……


(結果、僕は急速に老化し、魂が劣化した。)


……ああ、溶ける!溶ける!身体が溶ける!魂の劣化に肉体が引っ張られる! 耐えられない!やめて!やめ……


(親友の名前を僕は半狂乱になりながら叫ぶプツ——僕の意識はそこで途切れた。)

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主人はもういない。夢太郎の孤独な慟哭が家の中に響き渡った。

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完。

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そこまでです!!

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登場人物紹介

名前:心石花火(こころいし はなび)

性別:女性

設定:

魔人女子相撲に励む高校1年生の女の子。

1人称は「僕」。

魔人になる前から相撲が好きであり、親友の女の子と二人で競技人口が少ない女子相撲の稽古に日々励んでいた。

だがある日、相撲に対して偏見を抱く学校の連中に親友の女の子が目をつけられ酷いいじめに合い、自殺してしまう。

彼女は自殺する日まで彼女の様子がどこかおかしい事に気づきながらも、いじめにまでは気づけず、親友を死なせてしまったことから心に深い傷を負ってしまう。魔人能力にもこの時に目覚めた。

例え復讐を果たしても、親友は戻らない。彼女は今も過去を振り切れないまま、一人、土俵で四股を踏み続ける。


元々は明るくボーイッシュで、元気いっぱいに話す性格だった。

今も表向きは変わらないが、時折過去の経緯から暗い影が差す。


能力名:花火八十二手


相撲技を仕掛けた際、繰り出した箇所から炎を発生させることができる。

張り手時に掌から炎が出る、上手投げ時に相手が燃える、など。

炎の発生の仕方は花火の意志により割と自由。


戦う動機:過去を振り払うため


イラスト:きゃらふと様より作成


作者:スカーレット

無現 得夢(むげん えむ)

「私、無現  得夢が! あなたの魂、人生をいただきます!」

24歳 男性


能力名:ソウルワールド・オブ・ザ・ドリーム

夢の世界に相手の魂を閉じ込める能力。

閉じ込めた相手の魂を喰らう事で、相手の記憶や経験、思い出を体験することが目的。

 夢の世界では魂が実体化する。夢の世界に囚われても逃げまわることは可能。

「ただ狩るだけでは面白くない!遊びがなくてはねぇ!」

夢の世界を自由に操れる。夢の世界とは、すなわち、妄想力によって構成された世界である。 


設定:

 彼には何もなかった。両親は幼少期の頃から仕事で家におらず、ずっと一人だった。

 両親が事故で死んだ。親戚の叔父の家に預けられたが、まるでいないもののように扱われた。大人になってもどこにいっても馴染めなかった。現実で楽しいと思える事が何もなかった。

 そんな彼の唯一の楽しみは眠りの中でみる夢だけだ。


 そして、彼は不治の病になった。

 死期を悟ったとき、彼は人生を無意味なまま、終えることに対して恐怖を抱いた。 

「もっと色々な出来事を経験したい。夢の世界のように自由に 」

 夢の世界に逃避するようになった彼は、自身が夢の世界に人間の魂を閉じ込める力を持っていることに気づく。


  魂を初めて喰らったとき、その人間の世界がみえた。人生を経験した。想いを感じた。彼は他者の人生という名の刺激の虜になったのだ。

 現実では不治の病でも魂を喰らうことで治すことができた。


「こんなこと、やめるべきだって? ――否、否、否ァ! 他者の魂は私にすべてを与えてくれるのだ! やめることなどッ!できるはずがないッ!」


 ――今日も刺激を求めて、彼は魂を喰らう。


戦う動機:魂を喰らうため。

アイコン:三日月アルペジオ様

作成者:榎本レン

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