第1話 神功皇后の 福岡 仲哀天皇

文字数 1,946文字

1、故郷の中間市に埴生神社がある。池の真ん中に赤い太鼓橋があり、渡った先の100段の階段を登ると社があり、由緒を掲示している。祭神は仲哀天皇・神宮皇后であり、船魂を祈念したとある。こんな所に本当に来たのだろうか。英彦山を源流とする遠賀川は芦屋港で響灘に流れ込んでいる。昔はこの付近も海であったらしい。隣の北九州市も皇后の逸話は多い。若松港から洞海湾を航行し、八幡西の皇后崎に上陸した。岡田神社に参拝し、一宮神社に仮住いし船団を補強した。帆柱山で木を切り出し、皇后岩から「更に暮れる」といい、皿倉山と名付けたという。199年頃の木製の船は片側10人で両側20人で櫓を漕いでいた。海辺は波も荒いし、湾に入り上陸するのが、便利だった。瀬戸内海とはいえ、長い距離の航行で船の壊れた個所も多い。一宮神社を行宮として、切り出した材木で船を補修し、または新しく船を作った。遠賀川付近は大陸より最初に、米栽培の技術が伝達した場所でもある。埴生神社の周りが平地が多く、穀倉地帯だった。弥生時代の洞窟や貝塚なども発掘され、住むのに適当な場所だった。天皇は食料を調達し、次の係留地へ航海していった。
2,古事記では山口から瀬戸内海を通り、熊鰐に案内され芦屋町の岡湊神社に留まったと書いてある。私の父は大晦日の夜、三社参りに出かけていた。宮地嶽、宗像大社。筥崎宮を回り、元旦の朝、帰宅していた。夫々の海沿いにある神社は天皇・皇后が立寄ったという由緒が残っている。宮地嶽は注連縄は日本一大きいしジャニーズの嵐で有名になった石段の最上段から夕陽を眺めると海と参道が一体となり、不思議なスポットになる。社殿の後方かに山道があり、皇后が頂上まで登り、熊襲と三韓征伐を祈念したという。白袴の神官に聞くと、頂上へは15分位で行けるでしょうという。私も皇后と同じ視点で海の向こうを見たかった。下山中の老人は、私の格好を見て「革靴では登れない。山道になりきつい登りもある」と助言する。息切れしながら、30分で、頂上に着いた。皇后は山登りは得意だったに違いない。いくつもの山を登っている。宗像神社は古墳時代から三女神が信仰されユネスコ遺産にもなった。この地にも逗留し、海人のお世話になっているだろう。筥崎宮も皇后が三韓征伐から戻り、出産した。応神天皇の臍の緒を入れた筥を砂浜に埋めたといい、この神社を筥崎宮という。
3、香椎は鹿児島本線の停車駅があり名前は知っていたが行ったことがなかった。今回、初めて参拝したが格式が高い神社であると驚いた。この地で仲哀天皇が亡くなり、墓地の石碑もあるし、宮内庁も10年に一度、勅使が来て式典を盛大に行なうという。次回は令和6年に予定され、宮内庁の方が泊まる宿舎が建設中である。古事記では仲哀天皇がここで琴を弾き、神の声を皇后の仲介で聞いた「三韓には金銀財宝があるそこを攻めて統治せよ」と託宣があった。しかし天皇は「海から眺めても陸は見えない」と反論し、神の怒りにふれ急死したと述べている。一方、日本書紀では、天皇は熊襲退治で筑紫方面へ出陣し、小郡市にある御施大霊石神社で敵の毒矢に当たり、香椎で死んだという。
4,天皇が亡くなり世に知れぬよう、皇后は久山町の斎宮で埋葬した。聖母屋敷で滞在し、近くの遠見岳に登り、天皇の仕返しで熊襲退治と三韓征伐を祈念した。私も実際登ってみたが1時間かかった。頂上は由緒と鳥居があり、眺めは180度見え左は博多右に海その向こうに壱岐対馬が見える。皇后は軍を率い進軍する。松お神社を前線基地とし、近くの砥上神社で武器を研がせる。筑紫は平野であって、土質も良く、水も潤沢で、穀物も良く育つ。地域を支配する豪族は白羽熊鷲である。白鳥の羽根を付け舞う霊媒師でもあった。大和に歯向かう地方の権力者で地元では人気がある。決戦の火ぶたが切って下ろされた。美奈宜で戦い皇后は白羽熊鷲を殺した。戦後、「心が安らぐ」といい夜須という地名となった
5,その後、博多天神の警固神社にいき、地元の警固軍勢も参加させ三韓征伐を行う。和議が整い、帰国すると皇后は宇美町の宇美神社で応神天皇を出産した。私が訪れた時も、多くの若夫婦が赤子を抱えお祓いをして貰っていた。その後、子供をシヲケという高籠に入れシオケ峠を越え、飯塚の大分神社や椿神社や綱分神社に立寄り大分の宇佐神宮へ向かった。
記紀に書いてある皇后の福岡での足跡をネットを見ながら、現地に行ってみた。数か月かかったが、実際に神社へ行くと必ず由緒が書いてある。単なる伝説でなく、事実であるような気がする
神功皇后は生れは滋賀方面だといわれている。最近、滋賀に邪馬台国の本が出版されているという。多くの伝説や事実があるに違いない
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み