主人公は僕だった

文字数 1,172文字

2006年にアメリカで公開され、翌年には日本でも公開された映画「主人公は僕だった」

奇妙なタイトルだと思うかもしれないけど、本当にタイトル通りの映画なんだ

主人公は、会計検査官の男ハロルド・クリック。ある日、頭の中に地の文が響き始め、彼の行動をナレーションし予測し始める。というところから物語は始まるんだ
頭の中に直接声が……を素でやっているのか

しかもその声は、ただナレーションするだけじゃない。

「~が起きるのだった」と言われれば、本当にそのとおりになってしまうんだ

頭に響く謎の声が、未来を予言するのか……
はじめは声にツッコんで、周りから不審な目で見られるというシュールなシーンが目立つんだけど
なんと、その声が自分の死を予言し始めるんだ
こわっ!!
「主人公が僕だった」ということは、その世界の主人公が映画の主人公で――みたいなカンジになるのか?

ところが、そうじゃない。

頭の中のナレーションを書いている人物が、実在していると判明するんだ

んん?

彼女の名は、カレン・アイフル。

カレンの書く小説の主人公はすべて、死を遂げる

えっと、つまり……。

主人公を必ず死なせる作家の作品と、リンクしてしまった、と?

最初は精神病扱いされたハロルドだったけど、作者がいると知るなり乗り込むんだ。

ところが、カレンの原稿を読んでみると、これ以上にない死に方で……

傑作だったのか
ハロルドは死を受け入れ、最後は子どもを事故からかばい、感動的な死を迎える――
しかし、目覚めると生きている!
カレンさんがハロルドのために、結末を変えたのか!

そうなんだけど、カレンさんにも言い分があってね。


これは死を知らない男の物語だから、死を知って受け入れようとしている男なんて、死なせられない――と

なるほど。作家として、最後まで面白い物語を作ること。ハロルドを助けること。2つをやってのけたのか
この映画の面白い点は、ナレーションとのやりとりもあるんだ。たとえば

「うるさい!」

天に毒づくのだった。

「お前に言っているんだ!」

hosiazuazu

という風に、地の文と会話し始めたり

ハロルド「女の声につけられているんだ」

友人「そうか……なんだって?」

ハロルド「ナレーションされている」

友人「……」

hosiazuazu

という風に、本気で悩むハロルドと、彼を気が狂ったのだと思って接する周りの人々とのやりとりも面白い。素材が良くて、調理方法も素晴らしい映画だよ
しかし、細かい点までよく覚えているな
メモがあるからね
ゴチャゴチャじゃねーか。整理しろよ
 この何気ない写真のアップロードが、やがて死を招くとは、彼は知るよしもなかった。

hosiazuazu

えっ!? ちょっ、え??
ん? どうした?
頭の中に声が聞こえるんだ
は?
ナレーションされているんだ!!

なに言ってんだお前?

病院行ってこいよ

本当なのに……。

うわあああああああああああああああああ

 その後、彼の行方を知るものはいなかった。

hosiazuazu

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登場人物紹介

ミユ


スイーツが大好きな女子高生。

好きな映画は「ペイ・フォワード 可能の王国」「ズートピア」「パディントン」。

マオ


ツッコミとボケの二刀流。だけど案外常識人な女子高生。

好きな映画は「ショウタイム」「トランスポーター」「アベンジャーズシリーズ」。

星崎梓


おバカ。

好きな映画は「レディ・プレイヤー1」「主人公は僕だった」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」。

星崎ゆうな


梓の妹。好きな映画は……?

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