第34話  龍 

文字数 302文字

男が池の畔に立っていた。
小夜子は目を見張る。
「怜!」
小夜子は駆け寄る。
「怜!会いたかった!」
怜に飛び付く。
「小夜子!どうしてここへ」
怜は驚く。


「夜刀に聞いて」
怜は、自分に齧り付いたままの小夜子をそのままにして、辺りを見渡す。遠い岩の上に夜刀を見付けた。それをじっと見る。夜刀はもっと遠い場所に飛び移る。

足元で「はっ、はっ」と息を吐き、嬉しそうに尾っぽを振る馬鹿でかい犬を見下ろす。
「怜。久しぶりだな」
伊刀の声が怜の頭に響く。

「融と・・・誰だ?あれは?」
怜はこちらに向かって歩いて来る二人を見る。
「東藤家理沙。客だ。・・・怜。彼女は是非とも龍を見たいそうだ。」
「はあ?何言ってんの?」
怜は頓狂な声を出した。
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