2.小梅、浩太がワイロを払うのに、待ったをかける
文字数 1,318文字
浩太とアユがヒソヒソ話をしている。
『桃太郎』、『一寸法師』、『聞き耳頭巾』と、重要な昔話を3つも続けて成立させて、勢いに乗っているのですよ。ここで、『浦島太郎』を成立させたら、大スターの仲間入りです。
でも、ここで、失敗したら、また、冴えない脇役生活に逆戻りかもしれません。
昼食時間に、社食のスクリーンで、みんなに、見せるのさ。あたしが、娯楽委員会の委員長だって、知らなかった?
あんたが、みんなから、総スカン食うところを見るのが、楽しみだよ。
お互いにダメージを受けるってわけだ。
でも、あんたが、この坊やからワイロを取り立てるのを、止めれば、あんたたちも、あたしも、傷つかない。それを考えたら、10万クララのもうけを失うくらい、安いもんだと思うよ。
今度の『浦島太郎』が不成立になって、それが、この坊やのせいにされたら、そん時も、あたしは、この映像を流すからね。
あんたのボスに言っときな。今度の『浦島太郎』は、必ず、成立させろって。そして、二度と、この坊やに手を出すなって。