「幼女の体は凶器です」
文字数 1,678文字
「貴様、ナナシダとかいう名前だっただろ? あいつらに攻撃されてるってことは、お前は魔王軍じゃないってことだなっ?」
「は、はい、まあ」
「よし分かった。一緒に逃げよう。さっき銃を向けたことは許してくれ。いいなっ?」
「え? ええ、ああ、まあ」
「私の名前はセキカだ。好きに呼んでくれていい。あそこに穴が空いているの、分かるだろっ?」
セキカと名乗った女の人は、向こう側にある岩場を指さした。確かにそこには、奥まで続いていそうな大穴が空いていた。
「あそこに逃げるんですか? でも、敵はすぐそこにいるんですよ? もし撃たれちゃったりしたら……」
「私に任せとけばいい! えーと、ナナシダ……言いにくいな。ナナでいいだろ?」
「あ、ああ、はい」
何というか、押しの強い人だ。
とりあえずあの巨人から逃げるのを手伝ってくれるって言うんだから、今は信用しておこう。
よく見ればけっこう整った顔立ちをしている。
美人に命令されるのは、嫌いじゃない。あんまりハードな命令は聞けないけど……例えば全裸で【自主規制】とかね!
「いいか、ナナ。私が合図をしたら走るんだっ」
「分かりました」
レユさんもぼくの方を見上げて、頷く。ぼくの体にぎゅっとしがみつくレユさんのちっちゃな手が温かい。ロリの温もりだ。略して温ロリ。
「さ、行くぞ。3、2、……走れっ!」
セキカさんはぼくに怒鳴ると同時に、あの鉄の巨人がいる方へ何かを投げた。
刹那、眩い光が辺り全体に広がって、あまりの明るさにぼくは一瞬視界を奪われた。
でも、こんなところで足を止めちゃ一秒後にはハチの巣だ。
とにかくぼくは闇雲に走りだした。
「ナナさん、そのまままっすぐです!」
レユさんのナビゲート。
もつれそうになる足。
なんとか前に進んでいるのは体の感覚で分かる。
「レユさぁぁん! 今何キロ!?」
叫んだ瞬間、ぼくは何かに足をとられ、そのまま体のバランスを崩してしまった。
慣性に任せてごろごろと坂道を転がっていく不幸な人間の姿がそこにはあった。
ていうか、ぼくだった。
「いってえ……」
やっと止まってくれた。全身が痛い。
だんだん視界ももとに戻って来る。
辺りを見渡せば薄暗く、埃っぽい場所だということくらいは分かった。恐らくセキカさんが言っていた穴の中にうまく潜り込めたのだろう。
……それにしても、やけにやわらかい地面だな。それに人肌みたいに温かい。
ちょっと強く押してみよう。ぐにぐに。
「……ひゃっ、ああん!」
地面は妙に熱っぽい声を上げた。
へえ、変わった地面だなあ。ぐにぐに。
「あっ、ふっ、んんっ!」
今度はちょっと反応が変わった。
次はこっちを押してみたらどんな声を……。
「も、もう、や、やめてください、ナナさんっ!」
ようやく完全に視界が戻った。
ぼくの目の前には肌色が広がっていて、で、ぼくの右手はその肌色の中に埋もれたピンクの部分を触っていて、ええと、勘のいい方ならそろそろお気づきかもしれないけれど。
「あー、マジでごめん、レユさん」
要するに、ぼくはレユさんの上に寝転がっていた、というわけだ。
しかもさっき勢いよく転がったせいなのか、彼女が身に纏っていた布はきれいにはだけてしまっていて、きっともう少し明かりがあれば色々なものが丸見えだっただろう。たまたま薄暗いせいであまりよく見えないけれど。
「謝るヒマがあったら! 私の上からのいてくださいっ!」
「わ、わわ、ごめん!」
慌ててぼくがレユさんから離れると、レユさんは布を再び自分の体に巻き付けながら立ちあがった。ぷにぷにした柔らかい肌が布で隠されていく。残念だ。
それから、眉を逆八の字にした怒ったような顔でぼくを見ると、
「ナナさん、ひどいですっ!」
と、頬を膨らませた。
そのほっぺたは暗闇の中でも分かるくらいに赤く色づいていた。
こうやって気持ちがすぐ表情に出ちゃうのも、ロリのロリたる所以だ。萌え。
「は、はい、まあ」
「よし分かった。一緒に逃げよう。さっき銃を向けたことは許してくれ。いいなっ?」
「え? ええ、ああ、まあ」
「私の名前はセキカだ。好きに呼んでくれていい。あそこに穴が空いているの、分かるだろっ?」
セキカと名乗った女の人は、向こう側にある岩場を指さした。確かにそこには、奥まで続いていそうな大穴が空いていた。
「あそこに逃げるんですか? でも、敵はすぐそこにいるんですよ? もし撃たれちゃったりしたら……」
「私に任せとけばいい! えーと、ナナシダ……言いにくいな。ナナでいいだろ?」
「あ、ああ、はい」
何というか、押しの強い人だ。
とりあえずあの巨人から逃げるのを手伝ってくれるって言うんだから、今は信用しておこう。
よく見ればけっこう整った顔立ちをしている。
美人に命令されるのは、嫌いじゃない。あんまりハードな命令は聞けないけど……例えば全裸で【自主規制】とかね!
「いいか、ナナ。私が合図をしたら走るんだっ」
「分かりました」
レユさんもぼくの方を見上げて、頷く。ぼくの体にぎゅっとしがみつくレユさんのちっちゃな手が温かい。ロリの温もりだ。略して温ロリ。
「さ、行くぞ。3、2、……走れっ!」
セキカさんはぼくに怒鳴ると同時に、あの鉄の巨人がいる方へ何かを投げた。
刹那、眩い光が辺り全体に広がって、あまりの明るさにぼくは一瞬視界を奪われた。
でも、こんなところで足を止めちゃ一秒後にはハチの巣だ。
とにかくぼくは闇雲に走りだした。
「ナナさん、そのまままっすぐです!」
レユさんのナビゲート。
もつれそうになる足。
なんとか前に進んでいるのは体の感覚で分かる。
「レユさぁぁん! 今何キロ!?」
叫んだ瞬間、ぼくは何かに足をとられ、そのまま体のバランスを崩してしまった。
慣性に任せてごろごろと坂道を転がっていく不幸な人間の姿がそこにはあった。
ていうか、ぼくだった。
「いってえ……」
やっと止まってくれた。全身が痛い。
だんだん視界ももとに戻って来る。
辺りを見渡せば薄暗く、埃っぽい場所だということくらいは分かった。恐らくセキカさんが言っていた穴の中にうまく潜り込めたのだろう。
……それにしても、やけにやわらかい地面だな。それに人肌みたいに温かい。
ちょっと強く押してみよう。ぐにぐに。
「……ひゃっ、ああん!」
地面は妙に熱っぽい声を上げた。
へえ、変わった地面だなあ。ぐにぐに。
「あっ、ふっ、んんっ!」
今度はちょっと反応が変わった。
次はこっちを押してみたらどんな声を……。
「も、もう、や、やめてください、ナナさんっ!」
ようやく完全に視界が戻った。
ぼくの目の前には肌色が広がっていて、で、ぼくの右手はその肌色の中に埋もれたピンクの部分を触っていて、ええと、勘のいい方ならそろそろお気づきかもしれないけれど。
「あー、マジでごめん、レユさん」
要するに、ぼくはレユさんの上に寝転がっていた、というわけだ。
しかもさっき勢いよく転がったせいなのか、彼女が身に纏っていた布はきれいにはだけてしまっていて、きっともう少し明かりがあれば色々なものが丸見えだっただろう。たまたま薄暗いせいであまりよく見えないけれど。
「謝るヒマがあったら! 私の上からのいてくださいっ!」
「わ、わわ、ごめん!」
慌ててぼくがレユさんから離れると、レユさんは布を再び自分の体に巻き付けながら立ちあがった。ぷにぷにした柔らかい肌が布で隠されていく。残念だ。
それから、眉を逆八の字にした怒ったような顔でぼくを見ると、
「ナナさん、ひどいですっ!」
と、頬を膨らませた。
そのほっぺたは暗闇の中でも分かるくらいに赤く色づいていた。
こうやって気持ちがすぐ表情に出ちゃうのも、ロリのロリたる所以だ。萌え。