2 限りない想像力が技術を生み出す!
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技術を生み出す、知性とは何でしょうか?
発達した脳神経系のような情報処理器官により、
環境の違いや変化に応じて活動を制御し、
より良く生きられる生命活動能力です。
具体的には、物事の間の因果法則を発見し、
原因に働きかけてよい結果を得る能力です。
技術とは『こういう時に
こうすれば、こうできる』という
因果法則(一般的な因果関係)です。
その元になる科学はより広く、
『こういう時はこうなる』という法則や、
理論(法則の体系)を発見する活動です。
因果法則は、合理的な推論により発見されます。
しかし、それだけでは仮説にすぎず、
実験や観測で実証されれば〝法則〟とされ、
誤りならば〝空想〟だったことになります。
推論と空想は地続きであり、両者を合わせて
広い意味での〝想像〟と呼ぶことができます。
想像力と言えば、知性というより芸術文化など、
感性の話なんじゃないか?とも思いますが、
『こういう時はこうなるのでは?』という
仮説もまた、想像力の成果でありました。
以上は、主に経済・社会活動を豊かにする、
自然科学的な技術について当てはまります。
しかし、広い意味では経済・社会活動の一部である、
制度・政策の生産性(効率性)を高める、
社会科学的な技術においては、
もっと驚くべきことがいえます。
人々を動かす社会科学的技術では、
合理的推論により発見された法則に加えて、
権利・義務・法人格などの法律概念や、
貨幣価値、あるいは宗教・思想的概念といった、
完全な
技術の基礎になる場合があるのです!
つまり知性とは、合理的な推論から
完全な空想にまで至る想像力であり、
それが、社会活動を助ける自然科学的技術や、
政策を助ける社会工学的技術を可能にします。
知性=無制限的な想像力が、
二種類の技術を可能にするのです。