第7話 水質の変化

文字数 528文字

1年前。
河川事務所で、水質データが分析されていた。
「過去10年のデータの推移をみると、水質が、少しずつ悪くなっているように思われます」
「それは、過去のレポートで指摘されているのか」
「3年くらい前までは、変化が、微妙で、ノイズだと思われていました」
「つまり、3年までのレポートでは変化が小さすぎて指摘されていないということだね。」
「ええそうです。去年のデータをつかった水質レポートでは、明らかな劣化が指摘されています」
「つまり、去年の水質は例年より悪かったと指摘したわけだ。それで、原因は」
「去年は、原因がよくわからなかったのだと思います。言い換えると、10年の継続的なトレンドの変化に踏み込めなかったのです。その結果、異常気象が原因と分析しています」
「それに、問題があるのか」
「今年の水質悪化の変化は、昨年の変化の3倍くらいあります。つまり、水質の悪化が指数的に起こっている可能性があります」
「つまり、水質が、10年前から、劣化し続けてきて、ここにきて悪化が急激に加速しているということか」
「そうです。一時的な原因ではないと思われます」
「考えられる原因は」
「わかりません。しかし、原因が取り除けなければ、来年の水質は、考えたくない値になる可能性があります」
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み