ツチノコって本当にいるんですかね
文字数 1,686文字
翌日の放課後――。
学校の備品室改め、地球防衛部の部室の扉を宗介は開いた。
軽く反省する宗介だった。
切実である。
宗介の中で、嬉しさと絶望が複雑に入り混じっていた。
宗介は青春に飢えていた。
そして校外へと躍り出た二人は、一路街を目指す。
宗介は青春に飢えていた。
憧れであった放課後デート……それも、桐島ひなたという美少女と……。
これで浮かれないはずもなく、宗介は有頂天となっていた。
……だがしかし、宗介は、この後時を待たずして知ることとなる。
商店街――。
工場地帯――。
住宅街――。
巡り巡って、二人は公園のベンチに座った。
宗介の中で、想像と現実のギャップが起こっていた。
ツチノコらしい。
春晴れの青い空の下、涼しい風が二人の横を通り抜けていく中で、宗介は、前々から気になっていたことを聞いてみることにした。
ひなたは一目散に駆け出して行った。
コミュニケーションの難しさを痛感する宗介であった。