第34話 ミニゴーレムはゴーレムをもとに造られた

文字数 1,424文字

 役に立たない特技を付与されたとも知らず、ミニコはご機嫌だ。プログラムFを気に入ってしまったらしい。もしかしたら、リボンのせいかも。ミニコって女の子なのかな?

 二階をくまなく探索しながら、たまに戦闘。そのあいだ、ホムラ先生からいろいろ聞いた。

「そもそも、ミニゴーレムはゴーレム研究から造りだした機械人形なんだ。君たちのところにも本物のゴーレムがいるな。彼らは古代魔法の産物だ。我々はそれを科学の力で再現できないか実験している」
「そう言えば、シルバンとそっくりですよね」
「うむ。銀晶石の森に古代文明の遺跡が発見されたんだが」
「それ、見つけたの僕らなんですよ!」

 へへへ。
 シルバンはその遺跡で仲間になったんだもんね。

「ほう。そうかね。どおりでゴーレムがパーティーにいるわけだ。我々もあの遺跡のなかで、じっさいにゴーレムを見て研究したのだが、失われた古代魔法が動力源になっていて、そのままのものを造ることはできないことがわかった」

「けっきょく、ゴーレムってなんの目的で造られたんです?」
「むろん、国を守るためだろう」

「彼らを造ったのは古代人なんですね?」
「あのあたりは大昔、精霊たちの国だった。おそらくは精霊が彼らの主人だろうな」

 僕はあの遺跡で見た幻を思いだす。
 プラチナブロンドのものすごい美少女が、助けを求めてきたんだよね。どうもあの美少女が僕らをこの世界に召喚した女神さまみたいなんだけど。体と魂を別々にされて封印されてるとかなんとか言ってたような。

「精霊かぁ。ボイクド国って森の奥にひっそり住んでる、森の人がいますよね? 彼らが精霊たちの末裔(まつえい)でしょうか?」

 どうでもいいけど、ホムラ先生の目の色が輝いて怖い。

「君はいい生徒だなぁ。龍郎くんよりいいよ」

 やっぱり、龍郎も出てくるのかな?
 あっ、こっちの話だよ。へへへ。

「うむ。森の人が精霊たちの生き残りの子孫だろう。だから、この国には精霊の血をひく者が多い」

「精霊たちを抹殺したのは魔族みたいなんですよね」
「うむ。それも間違いないな。両者は古代、仲よく暮らしていた。だが、あるとき急に争いが始まった。その原因がわからないんだがね」

 話しつつ、二階の探索終了。
 次は三階だ。
 でも、ここの階段の前にも大量の鉄クズが!

「かーくん。鉄クズが……」
「だね。いいよ。また僕が傭兵呼びするから」


 チャララララララ……。
 野生の鉄クズA〜Zが現れた!

 というわけで、また戦闘だ。
 でも今回は二回めなので、楽勝だった。

 蘭さんは外に出てると先制攻撃が発動しちゃうので、まず馬車で待機してもらう。馬車の外に、僕、シルバン、ぽよちゃんの状態で戦闘に突入。開始後すぐに僕が傭兵呼びをして、そのあと馬車から出てきた蘭さんが、ふんばるで残った敵を一掃。

 これで50万経験値だ。
 レベル、あがる、あがる。
 僕もう45になった。
 アンドーくんも45。蘭さんは42。だいぶ僕らに追いついてきたね。

 モンスターたちは、ぽよちゃんが45。ケロちゃん44。たまりんとバランが42。シルバン41。クマりん39。モリー37。あんまり馬車から出ない子は、どうしても成長が遅れちゃうな。

 それにしても変だなぁ。
 これ、僕の傭兵呼びがなかったら詰んでるよね? ふつうの冒険者に勝てる相手じゃない。

 たいてい、こんなふうに大群を出して、やたらレベルアップさせようってときは、そのあとに強力なボス敵が待ってたりするんだよな。

 超強力なヤツが……。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み