なんてキレイな残り物

文字数 185文字

寝苦しく、私は涼を求めてベランダに出た

隣家に住む、幼い子供が、笑っている

なんとまあ、中途半端な月が、恥じるように薄雲に紛れている

タバコに火をつけようと、暗がりでライターを探していると
幼子も、半月を見つけたようである

「お母さん!お月様が、半分になったよ。きっと、ウサギさんが食べちゃったんだね!」

煙を吐きつつ、空を見上げる

ウサギの食べ残しが、歯形を誇るように浮かんでいた。
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