(三)

文字数 237文字

 翌日、告別式が始まった。近所の大総寺の左通住職の読経も終わった。この左通さんも父の知人であった。そしていよいよお別れの儀となった。部屋の真ん中に父の遺体が治められた棺桶が置かれた。葬儀参列者が用意された花を次々に棺に入れていった。
 その時、表で車が止まる音がした。なんとなくそちらを見たら黒塗りの大きいセダン車が止まっていた。そして白いクーフィーヤを被り真っ白なガラベイヤを着たひげ面の男性が降りてきて、入口から家の中へ入ってくるのが見えた。アラビアの人のようだ。

(続く)
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