第1話

文字数 1,645文字

 起
 時は幕末。
 江戸牛込に、天然理心流という剣術を教える試衛館という道場があった。
 しかし、剣術の道場というのは表の顔で、裏の顔は「堕落鬼(だらき)」という人の血を吸うことによって、快楽を得て、かつ仲間を増やしていく(あやかし)を退治する集団であった。
 土方歳三は、道場主の近藤勇や同郷の沖田総司らと共に、「堕落鬼」の情報を集め、人を襲う現場を押さえ、退治するという日々を送っていた。
「堕落鬼」の起こす事件をきっかけに、永倉新八、山南敬助といった仲間たちも加わっていく。
 そんな彼らの元に、ある重大な情報が寄せられる。
「堕落鬼」は本来、夜しか活動出来ないが、昼間でも活動出来る突然変異の「堕落鬼」が現れたという情報だった。
 その「堕落鬼」が、清河八郎の献策による浪士組の募集に合わせて京都に行くことを知った土方は、試衛館の者たちと共に、その「堕落鬼」を探し、退治するために浪士組に参加して京都に行くことを決断する。

 承
 京都に向かう道中で、その「堕落鬼」の正体を探ろうとする土方達は、芹沢鴨という水戸藩士に目をつけるが、決定的な証拠を掴むことが出来ない。
 京都に着いた浪士組は、清河の浪士組と勤皇勢力を結びつける計画を知った幕府の指示で江戸に戻ることになるが、芹沢は反旗を翻し、その仲間と共に京都に留まることになる。
 仕方なく、土方達、試衛館の者たちも芹沢と行動を共にする振りをして京都に留まる。
 京都で芹沢たちと行動を共にしていた土方たちは、会津藩お預かりとして京都守護を任されることになる。そんな中、遂に土方たちは芹沢が「堕落鬼」である決定的瞬間を目撃し、芹沢を退治することを決意する。文久3年9月のある夜、土方たちは芹沢を退治するために切りかかるが、芹沢は既に周りのものを「堕落鬼」にしており、その者たちは退治したが、肝心の芹沢には逃げられてしまう。
 芹沢を退治するため、土方たちはそのまま京都に残り、京都警備を行いつつ、芹沢を探索することにする。そして隊の名前を新選組にする。

 転
 新選組は芹沢を探索するとともに、京都守護の見回りを行うため、人数を集めていく。
 新しく加わった隊士には、「堕落鬼」のことは伏せられたが、いつ芹沢たちに襲われるか分からないため、厳しい掟を作り、それを順守させることにした結果、いつの間にか新選組は鉄の掟を持つ集団となっていく。
 そんな中、池田屋事件が起こる。これは芹沢が、長州藩の過激志士たちをそそのかし、天皇を長州に連れ出し「堕落鬼」にしてしまうという恐ろしい計画を知った土方たちが芹沢殺害の為に起こした事件であったが、芹沢は逃走してしまい、退治することはできなかった。
 京都守護をしながら、芹沢が「堕落鬼」にした尊王の志士たちも退治する日々を送り、消耗していく土方たち。
 慶応3年10月に将軍・徳川慶喜が大政奉還を行い、幕府と薩長を主体とする新政府軍との戊辰戦争が始まる。新選組はその初戦の鳥羽伏見の戦いに参加し、その戦いの中で遂に芹沢を殺害し、退治することに成功する。しかし、沖田が芹沢に血を吸われ「堕落鬼」になってしまう。

 結
「堕落鬼」になった沖田は他の人間の血を吸わないように隔離される。永倉ら試衛館以外の仲間たちは沖田が「堕落鬼」として人を襲うことを恐れ、沖田を殺すことを主張するが、土方と近藤はそれを拒む。対立は決定的となり、仲間たちも徐々に離れていき、新選組は瓦解していく。
 戊辰戦争において、幕府は新政府軍に次々と敗北し、時代は大きく動いていく。新選組に残った者たちも、新政府軍に追い詰められていく。近藤も流山で新政府軍に捕らえられ、処刑される。
 沖田は江戸で結核の療養と称し、隔離されて暮らしていたが、ある日、見舞いに来た自分の姉の血を吸ってしまい、姉は自殺してしまう。それを知った土方は沖田を斬り殺す。
 全てを失った土方だったが、新政府軍に反旗を翻して蝦夷地に向かった榎本武揚の部隊の中に、「堕落鬼」がいるという情報を得て、それを追って北に向かう。




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