コーヒー

文字数 410文字

 [ Café コーヒー ]
 Demi tasse
 デミタス

【厨房】
 ――じゃ、あとで事務室でね――
 真紀の頭の中には、良枝の最後の言葉が残っていた。
 やはり敏夫さんとオーナーは、あたしに内緒でつきあっているのね。この二、三週間、敏夫さんの態度も変だし、オーナーは随分なれなれしいし、奇しいと思っていたんだ。でも、あたしたち二人の仲は、誰にも壊させない。それくらいなら、あたしが店もろとも壊してやる。
 ポットにコーヒーをとっていると、奥から敏夫が叫んだ。
「おい、真紀。そのコーヒー、お客様へ注いできたら、そのまま事務室へも持ってきてくれ」
 真紀は弱々しく返事をして、棚に置いてある自分のバッグから小瓶を取り出した。
 そして、蒼褪めた顔で小瓶の中身をコーヒーポットに入れた。 

【テーブルA】


【テーブルB】


【事務室】


 ~本作品に登場する店名、団体名は架空のものです。
 ~作品中の献立は、あるホテルで実際に提供されたものです。
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