井の中の蛙、大海を知っちゃう
文字数 2,000文字
そしてひなたは、強引に栞を連れ出していった。
……と、宗介はふと気付いた。
宗介は、チラリと部屋の隅を見る。
エリカはとっとと部室を出て行った。
ともあれ、エリカと宗介は校内の探索に出発した……。
……と、思いきや。
エリカは、一本の鍵を宗介に見せびらかした。
エリカは扉の鍵を開け、屋上へと出て行った。
屋上の周囲にはフェンスが設けられていたが、見る限り、しばらく人が来た形跡もない。
扉には鍵がかけられているため当然ではあるが、それが一層、謎を深めることになった。
宗介は本題に入る。
エリカは宗介の手を強く握りしめた。
そして、エリカは屋上の階段を下りて行った。
その後ろ姿を見た宗介は、深ーーーい息を吐き出した。
いっぱいいっぱいの宗介であった。