『女子校パラダイス』と高城サキさんについての情報って?
文字数 1,330文字
よく見たら、さっきの公団出版の人たちまでいた。
高城さんのそばで土下座してる。
ポロポロ涙流してる。
高城さん、なにも関心ない。
汚らしいゴミでも見るような表情。
「一千万。一千万なら上乗せできます」
「メンバー全員、高城会長を香港旅行に招待しますので・・・
これでなんとか、専属契約の件・・・」
高城さん、ポッキーチョコレートを口にくわえた。
「おじさんたち。頭、悪いんですか?
わたし、二億って言ったんです。
憶えてくださいよ。それくらい・・・」
高城さん、ポッキーチョコレートかじる。
「そうだ、もうひとつ憶えてください。
ロレックス百個。
いま、ハッキリ言いましたから・・・」
ぼくのそば。
スポーツ新聞や雑誌の腕章をつけたグループ。
すごい。マスコミが取材に来てる。
十人以上・・・
ひそひそ話が聞こえる。
「必死だな。公団さん」
「一回、しくじってるからな」
快活な声が聞こえる。
「最大手の公団出版の面目丸つぶれ。
『女子校パラダイス』と契約とれなかった責任をとって、大幅な人事異動がありました。
『公団出版激震』と騒がれました。
『季刊 楽しい離島生活』とか『年刊 墓場と念仏』。不定期刊『古本屋の経営実務』とか、取り寄せないと購入できないような雑誌の編集部に異動になった人もいました」
緑のポロシャツを着た三十歳くらいの男の人。
ミネラルウォーターのペットボトル片手。ニコニコ笑ってる。
「それにしても、最大手の公団出版にそこまでさせるとは、あの高城サキって高校生、たいしたもんだ」
「バックがいますからね。金と力を持った!」
スポーツ紙や雑誌記者たち。ポロシャツの男の人に注目!
「金と組織力があればブームを演出できる。
細かい特典で、CDの売り上げと人気を確立。
めずらしい方法なんかじゃない。
彼女は強力なバックを持ってる」
おおぜいの記者たち。フンフンッてうなずいてる。
「それで彼女のバックは?」
「そいつは企業秘密ということで・・・」
ポロシャツの男の人。ニッコリ笑ってミネラルウォーターを飲む。
「君。獅子内 君!」
記者のひとりが大声を出す。
「そうだ。『令和日報』の看板記者の獅子内君。どうしてここに?」
獅子内記者はニコニコ笑ったまま。
でも目つきがすごく鋭い。
よく見るとこわい。
「ぼくも専属契約を結びに来たんです」
「まさか・・・」
「少しぐらい教えてくれよ」
「人に会いに来ました。若い女性です。
写真しか見てませんが、ぜひ専属契約を結びたいと思ってます。
アポはとってないけど、来てるかもしれないと思ってた。
まだのようです」
獅子内記者。
思い出した!テレビの報道番組によく出てた!
「じゃあ、失敬」
獅子内記者が軽く手を振って立ち去る。
「なにを調べるつもりだ。我々も気になるな」
「またサプライズさせるつもりか?」
記者たちのヒソヒソ話。
獅子内記者は人混みに消えた。
「二千万。二千万。上乗せします。
ロレックスの腕時計十個。
これでなんとか」
公団出版の甲良さん。
とうとう手を合わせてる。
でも高城さん、知らん顔してる。
よく見たら・・・
獅子内記者が消えた人混みに・・・
目を向けてた・・・
高城さんのそばで土下座してる。
ポロポロ涙流してる。
高城さん、なにも関心ない。
汚らしいゴミでも見るような表情。
「一千万。一千万なら上乗せできます」
「メンバー全員、高城会長を香港旅行に招待しますので・・・
これでなんとか、専属契約の件・・・」
高城さん、ポッキーチョコレートを口にくわえた。
「おじさんたち。頭、悪いんですか?
わたし、二億って言ったんです。
憶えてくださいよ。それくらい・・・」
高城さん、ポッキーチョコレートかじる。
「そうだ、もうひとつ憶えてください。
ロレックス百個。
いま、ハッキリ言いましたから・・・」
ぼくのそば。
スポーツ新聞や雑誌の腕章をつけたグループ。
すごい。マスコミが取材に来てる。
十人以上・・・
ひそひそ話が聞こえる。
「必死だな。公団さん」
「一回、しくじってるからな」
快活な声が聞こえる。
「最大手の公団出版の面目丸つぶれ。
『女子校パラダイス』と契約とれなかった責任をとって、大幅な人事異動がありました。
『公団出版激震』と騒がれました。
『季刊 楽しい離島生活』とか『年刊 墓場と念仏』。不定期刊『古本屋の経営実務』とか、取り寄せないと購入できないような雑誌の編集部に異動になった人もいました」
緑のポロシャツを着た三十歳くらいの男の人。
ミネラルウォーターのペットボトル片手。ニコニコ笑ってる。
「それにしても、最大手の公団出版にそこまでさせるとは、あの高城サキって高校生、たいしたもんだ」
「バックがいますからね。金と力を持った!」
スポーツ紙や雑誌記者たち。ポロシャツの男の人に注目!
「金と組織力があればブームを演出できる。
細かい特典で、CDの売り上げと人気を確立。
めずらしい方法なんかじゃない。
彼女は強力なバックを持ってる」
おおぜいの記者たち。フンフンッてうなずいてる。
「それで彼女のバックは?」
「そいつは企業秘密ということで・・・」
ポロシャツの男の人。ニッコリ笑ってミネラルウォーターを飲む。
「君。
記者のひとりが大声を出す。
「そうだ。『令和日報』の看板記者の獅子内君。どうしてここに?」
獅子内記者はニコニコ笑ったまま。
でも目つきがすごく鋭い。
よく見るとこわい。
「ぼくも専属契約を結びに来たんです」
「まさか・・・」
「少しぐらい教えてくれよ」
「人に会いに来ました。若い女性です。
写真しか見てませんが、ぜひ専属契約を結びたいと思ってます。
アポはとってないけど、来てるかもしれないと思ってた。
まだのようです」
獅子内記者。
思い出した!テレビの報道番組によく出てた!
「じゃあ、失敬」
獅子内記者が軽く手を振って立ち去る。
「なにを調べるつもりだ。我々も気になるな」
「またサプライズさせるつもりか?」
記者たちのヒソヒソ話。
獅子内記者は人混みに消えた。
「二千万。二千万。上乗せします。
ロレックスの腕時計十個。
これでなんとか」
公団出版の甲良さん。
とうとう手を合わせてる。
でも高城さん、知らん顔してる。
よく見たら・・・
獅子内記者が消えた人混みに・・・
目を向けてた・・・