33 みんなの帰る場所
文字数 4,074文字
目を閉じると、ノエリィはそれきり動かなくなりました。
ミシスは胃のあたりからなにかが込み上げてくるのを感じましたが、なんとかそれを耐えきって、必死に呼吸を整えると、ノエリィの唇に耳をぴたりとくっつけました。
息はあります。
空気がかすかに吸い込まれ、吐き出されています。
こんなにかすかな量で本当に大丈夫なのかと不安になるほどの量ですが、たしかに一定のリズムで空気が出入りしているのがわかります。
次に首筋に手を当て、胸に耳を押し当てます。
こんなにかすかな動きで本当に大丈夫なのかと不安になるほどの動きではあっても、ちゃんと心臓は一定のリズムで動いています。
ひとまずの安心を得て、体をゆっくりと起こすと、改めて自分の腕のなかの寝顔に視線を落とします。
「ノエリィ……」
かすれた声でその名を呼びながら、ミシスは最愛の友の顔を見つめました。
疲れきって血の気は引いているけれど、目からは幾筋も涙の流れた跡が残っているけれど、それでも束の間の休息に辿り着いたその表情は、赤ん坊のように穏やかです。
続いてミシスは、ノエリィの傷の具合を確認しました。さいわい、思ったほど酷いものではなさそうです。ポケットからハンカチを取り出して、血の滲んでいる傷口に軽く押し当てます。しばらくそうしていると、無事に出血は止まりました。もう一度、傷口をよく観察します。やはりそう深いものではありません。急いで手当てをすれば、きっとすぐに良くなるはず。跡が残らなければいいけど……。
「ノエリィ、わたしがついてるからね。大丈夫だからね」
自身をも鼓舞するための強引な笑顔をこしらえると、ミシスは気力を振り絞ってノエリィの体を自分の背中に載せました。
「とにかくここを離れよう」
歯を食いしばって立ち上がろうとします。けれどうまく立てません。完全に力を抜いた人間の体がこんなに重いものだなんて、思いもしませんでした。おまけにレインコートは濡れていて滑るし、水を含んだ服はやたらと鈍重で、体の自由な動きを阻害します。
じゃあどうする?
まさか引きずっていくわけにはいかない。
どうすれば……
その時ふと、二階へ通じる階段がミシスの視界の端に映りました。それは否応なく、その先にある学院長室と、そこへ向かったはずのハスキルとピレシュのことを想起させました。
「先生たちは、無事に出られたのかな」
顔を天井に向けて、しばし耳を澄ませます。今ミシスのいる場所のちょうど直上のあたりに、学院長室があるはずでした。
周囲から雪崩れ込んでくる雨音に阻まれてよく聴き取ることはできませんが、少なくとも人の足音のようなものは、一つも聴こえてきません。
「きっと、もう大事なものを回収して、ここを出たんだ」
頭上をじっと見つめながら、ミシスはそう判断しました。そして家を出ていく時にピレシュが見せた頼もしい笑顔を思い浮かべて、さらに意を強くしました。
「きっと大丈夫。だってあのピレシュがついてるんだもの。先生だって、その気になれば庭だって走ってみせるなんて、そんな冗談が言えるくらいだったんだから。きっと、きっと、二人は大丈夫……」
しかし、なかば自分に言い聞かせるようにミシスがそうつぶやいていた、まさにその時……
天井を一枚隔てたミシスのちょうど真上で、ピレシュは、まるで錯乱する幼児のように我を失って、床に倒れ込んでいたのです。
その体を、寄り添うように床に身を横たえたハスキルが、背中から羽交い締めにして抱きかかえ、何度も何度も少女の頭を撫でていました。
ピレシュは言葉にならない何事かを早口でしきりに叫びながら、激しく嗚咽し、まるで胎児の姿に戻りたがっているかのように体を丸めて、ぶるぶると全身を震わせていました。
ハスキルはその体を、どうにか床と自分の体で挟んで暴れ出さないように抑え込みながら、赤子をあやす時のような優しい言葉を少女の耳もとで唱え続けていました。
大切な物品をすべて回収して外へ出ようとしたその瞬間、二人は二体のカセドラが出現するのを、窓越しに目撃したのでした。
ピレシュのカセドラ恐怖症がどれほど深刻なものなのか、ずっと彼女の成長をそばで見守ってきたハスキルには、よくわかっているつもりでした。
もちろんミシスは、まさかそのような状況が自分の頭上で繰り広げられていることを、露ほども知りえません。抱きあって倒れ込んでいた二人は、足音など立てようがなかったのです。
とりあえず仮初めの安堵で心を固めたミシスは、再び床へ寝かせたノエリィの方へ目を向けます。変わらず静かな寝息を立てて眠っています。そのすっかり気の抜けた表情は、いつも一緒の部屋で寝ている時の顔と、まったく変わりないものに見えます。
……あぁ、これが本当にいつもの穏やかな夜で、いつもの二段ベッドだったらな。
そういった思いが悪魔の誘惑のようにミシスの胸の奥からせり上がってきましたが、とっさに思いきり頭を振って幻想を打ち消します。そうでもしないと、自分もすべてをあきらめて、ノエリィの隣に身を横たえてしまいそうだったのです。
小さく掛け声を発して胸を反らせると、床に散乱するさまざまなものの破片を丁寧にかき分けて、なんとかノエリィの体をより安全そうな場所まで移動させました。そして自分たちが入ってきた扉の脇まで走って戻り、姿を隠しつつ外の様子をうかがいました。
先程までとおなじ場所から、今にもへたりこみそうに腰を低くしたマノンが、目を凝らしてこちらを見ているのがわかります。でもミシスは自分の存在を無理に知らせることはしません。ラルゲットの操縦席に立ってマノンを見おろしているライカの視線が、そこにあったからです。
息を殺して、ミシスはレジュイサンスの方に目を向けました。船はどうやら無傷のようです。操舵室の窓には、見たところひびの一つも入っていないようです。
ミシスの背筋をぞっとさせたのは、そのなかにいるグリューの表情でした。
遠目 からでもわかる、まるで死人のように真っ白な顔。
もうなんの希望も、意欲も、意志も、どんな想念をも失くしてしまった人間の顔。
あれは……
あの顔は……
彼は……
彼は、あの時、マノン博士になにを耳打ちされたのだろう?
「もしもの時は」たしかにマノンはそう言いました。
「了解」グリューは無念そうに返事をしました。
もしもって、なんだ?
どういう事態が、もしもの時、と呼ぶに値するものなのか?
敵に船を発見されること? 捕まってしまうこと? そういえば、船の内部は部外者には見せられないって言ってたっけ。自分たちの技術情報が漏洩するのを防ぐために。
でもそれはちがう。だってもうとっくに漏洩していて、目の前にその盗用の成果を堂々と披露されているんだもの。
じゃあ、いったいなにが極秘なのか? マノンさんがさっき口にしていた、実験の任務とかいうものに関係することなのだろうか? それともほかに、部外者には想像も及ばないような重要機密でも、抱えているのだろうか?
たぶん、そうだ。
それがなんなのかはまったくわからないけれど、きっと今、対峙している相手の目に触れさせるわけにいかない
……でも、じゃあ、もしもの時っていうのは、敵にそれが見つかってしまう時、ということなんじゃないのか?
「ちょっと待ってよ……」
もはやなにものもその目に映していないようなグリューの表情を睨みつけながら、ミシスは震える息を吐き出しました。
それほどまで発見されてはならないものを船内に隠しているとして、それが敵に発見されるのを絶対に確実に阻止しようというのなら……方法は、たぶん一つしかない。
グリューのあの、なにもかもを断念してしまった顔。
マノンさんもまた、肩を落として力なくほほえんでいる。
そして今まさに、二人は窓越しになにやら視線で合図を送りあいました。グリューがなけなしの空元気 を総動員して、師とおなじように苦々しい微笑を浮かべました。
「そんなこと、させない……!」
自分でも驚くほどの野太い声で、ミシスは唸りました。
もしわたしが想像しているとおりのことをここで彼らが決行したら――なにしろ、ただこの場から離れろというのでなく、丘を降りて町まで避難しろという指示を出していたくらいだ――、この場所は、きっと、消失してしまうことになるのだろう。わたしたちの温かな家も、みんなに大事にされてきた校舎や寮も、芝生の輝く広場も、美しい雑木林とそのなかの秘密の花園も、なにもかもが、燃えてなくなってしまうことだろう。
もしそうなったら、わたしたち、いったいどこへ帰ればいいの? どこへ行けばいいの?
この愚かな出来事が全部片づいたら、みんなでここへまた帰ってくるんだから。
わたしを救ってくれたみんなを、この楽園のような場所を、もうこれ以上傷つけさせはしない。
みんなの帰る場所は、絶対にわたしが守る。
わたし、ノエリィとハスキル先生を一生守っていくって、あの雨上がりの春の日に、列車のなかで誓ったんだから!
ミシスは遠くからノエリィの寝顔を見つめて、その体を守護するための障壁をかぶせるように、とびきりの笑顔を送りました。
「ごめんね、ノエリィ。ちょっと一人にするけど、必ず迎えに来るからね」
そう語りかけると表側の出入り口から校舎を飛び出し、校庭を駆け抜けて家の陰に駆け込み、身を低くして敵機の操舵室からも二体のカセドラの視界からも死角になる経路に目算を立て、全速力でレジュイサンス目がけて走りました。
そして最初にマノンとグリューが出てきた船側面の扉に飛びつくと、思いきりそれを開け放ち、薄暗い船のなかへ入っていきました。
ミシスは胃のあたりからなにかが込み上げてくるのを感じましたが、なんとかそれを耐えきって、必死に呼吸を整えると、ノエリィの唇に耳をぴたりとくっつけました。
息はあります。
空気がかすかに吸い込まれ、吐き出されています。
こんなにかすかな量で本当に大丈夫なのかと不安になるほどの量ですが、たしかに一定のリズムで空気が出入りしているのがわかります。
次に首筋に手を当て、胸に耳を押し当てます。
こんなにかすかな動きで本当に大丈夫なのかと不安になるほどの動きではあっても、ちゃんと心臓は一定のリズムで動いています。
ひとまずの安心を得て、体をゆっくりと起こすと、改めて自分の腕のなかの寝顔に視線を落とします。
「ノエリィ……」
かすれた声でその名を呼びながら、ミシスは最愛の友の顔を見つめました。
疲れきって血の気は引いているけれど、目からは幾筋も涙の流れた跡が残っているけれど、それでも束の間の休息に辿り着いたその表情は、赤ん坊のように穏やかです。
続いてミシスは、ノエリィの傷の具合を確認しました。さいわい、思ったほど酷いものではなさそうです。ポケットからハンカチを取り出して、血の滲んでいる傷口に軽く押し当てます。しばらくそうしていると、無事に出血は止まりました。もう一度、傷口をよく観察します。やはりそう深いものではありません。急いで手当てをすれば、きっとすぐに良くなるはず。跡が残らなければいいけど……。
「ノエリィ、わたしがついてるからね。大丈夫だからね」
自身をも鼓舞するための強引な笑顔をこしらえると、ミシスは気力を振り絞ってノエリィの体を自分の背中に載せました。
「とにかくここを離れよう」
歯を食いしばって立ち上がろうとします。けれどうまく立てません。完全に力を抜いた人間の体がこんなに重いものだなんて、思いもしませんでした。おまけにレインコートは濡れていて滑るし、水を含んだ服はやたらと鈍重で、体の自由な動きを阻害します。
じゃあどうする?
まさか引きずっていくわけにはいかない。
どうすれば……
その時ふと、二階へ通じる階段がミシスの視界の端に映りました。それは否応なく、その先にある学院長室と、そこへ向かったはずのハスキルとピレシュのことを想起させました。
「先生たちは、無事に出られたのかな」
顔を天井に向けて、しばし耳を澄ませます。今ミシスのいる場所のちょうど直上のあたりに、学院長室があるはずでした。
周囲から雪崩れ込んでくる雨音に阻まれてよく聴き取ることはできませんが、少なくとも人の足音のようなものは、一つも聴こえてきません。
「きっと、もう大事なものを回収して、ここを出たんだ」
頭上をじっと見つめながら、ミシスはそう判断しました。そして家を出ていく時にピレシュが見せた頼もしい笑顔を思い浮かべて、さらに意を強くしました。
「きっと大丈夫。だってあのピレシュがついてるんだもの。先生だって、その気になれば庭だって走ってみせるなんて、そんな冗談が言えるくらいだったんだから。きっと、きっと、二人は大丈夫……」
しかし、なかば自分に言い聞かせるようにミシスがそうつぶやいていた、まさにその時……
天井を一枚隔てたミシスのちょうど真上で、ピレシュは、まるで錯乱する幼児のように我を失って、床に倒れ込んでいたのです。
その体を、寄り添うように床に身を横たえたハスキルが、背中から羽交い締めにして抱きかかえ、何度も何度も少女の頭を撫でていました。
ピレシュは言葉にならない何事かを早口でしきりに叫びながら、激しく嗚咽し、まるで胎児の姿に戻りたがっているかのように体を丸めて、ぶるぶると全身を震わせていました。
ハスキルはその体を、どうにか床と自分の体で挟んで暴れ出さないように抑え込みながら、赤子をあやす時のような優しい言葉を少女の耳もとで唱え続けていました。
大切な物品をすべて回収して外へ出ようとしたその瞬間、二人は二体のカセドラが出現するのを、窓越しに目撃したのでした。
ピレシュのカセドラ恐怖症がどれほど深刻なものなのか、ずっと彼女の成長をそばで見守ってきたハスキルには、よくわかっているつもりでした。
けれど実際には
、ほとんどなにもわかっていなかったのでした
。その事実が今、残酷なほど克明に暴き出されてしまったのでした。少女を抱きしめて共に涙しながら、ハスキルは自分の考えの浅はかさを心の底から悔やみ、呪いました。もちろんミシスは、まさかそのような状況が自分の頭上で繰り広げられていることを、露ほども知りえません。抱きあって倒れ込んでいた二人は、足音など立てようがなかったのです。
とりあえず仮初めの安堵で心を固めたミシスは、再び床へ寝かせたノエリィの方へ目を向けます。変わらず静かな寝息を立てて眠っています。そのすっかり気の抜けた表情は、いつも一緒の部屋で寝ている時の顔と、まったく変わりないものに見えます。
……あぁ、これが本当にいつもの穏やかな夜で、いつもの二段ベッドだったらな。
そういった思いが悪魔の誘惑のようにミシスの胸の奥からせり上がってきましたが、とっさに思いきり頭を振って幻想を打ち消します。そうでもしないと、自分もすべてをあきらめて、ノエリィの隣に身を横たえてしまいそうだったのです。
小さく掛け声を発して胸を反らせると、床に散乱するさまざまなものの破片を丁寧にかき分けて、なんとかノエリィの体をより安全そうな場所まで移動させました。そして自分たちが入ってきた扉の脇まで走って戻り、姿を隠しつつ外の様子をうかがいました。
先程までとおなじ場所から、今にもへたりこみそうに腰を低くしたマノンが、目を凝らしてこちらを見ているのがわかります。でもミシスは自分の存在を無理に知らせることはしません。ラルゲットの操縦席に立ってマノンを見おろしているライカの視線が、そこにあったからです。
息を殺して、ミシスはレジュイサンスの方に目を向けました。船はどうやら無傷のようです。操舵室の窓には、見たところひびの一つも入っていないようです。
ミシスの背筋をぞっとさせたのは、そのなかにいるグリューの表情でした。
もうなんの希望も、意欲も、意志も、どんな想念をも失くしてしまった人間の顔。
あれは……
あの顔は……
彼は……
彼は、あの時、マノン博士になにを耳打ちされたのだろう?
「もしもの時は」たしかにマノンはそう言いました。
「了解」グリューは無念そうに返事をしました。
もしもって、なんだ?
どういう事態が、もしもの時、と呼ぶに値するものなのか?
敵に船を発見されること? 捕まってしまうこと? そういえば、船の内部は部外者には見せられないって言ってたっけ。自分たちの技術情報が漏洩するのを防ぐために。
でもそれはちがう。だってもうとっくに漏洩していて、目の前にその盗用の成果を堂々と披露されているんだもの。
じゃあ、いったいなにが極秘なのか? マノンさんがさっき口にしていた、実験の任務とかいうものに関係することなのだろうか? それともほかに、部外者には想像も及ばないような重要機密でも、抱えているのだろうか?
たぶん、そうだ。
それがなんなのかはまったくわからないけれど、きっと今、対峙している相手の目に触れさせるわけにいかない
なにか
が、あのレジュイサンスのなかに存在しているのだろう。……でも、じゃあ、もしもの時っていうのは、敵にそれが見つかってしまう時、ということなんじゃないのか?
「ちょっと待ってよ……」
もはやなにものもその目に映していないようなグリューの表情を睨みつけながら、ミシスは震える息を吐き出しました。
それほどまで発見されてはならないものを船内に隠しているとして、それが敵に発見されるのを絶対に確実に阻止しようというのなら……方法は、たぶん一つしかない。
グリューのあの、なにもかもを断念してしまった顔。
マノンさんもまた、肩を落として力なくほほえんでいる。
そして今まさに、二人は窓越しになにやら視線で合図を送りあいました。グリューがなけなしの
「そんなこと、させない……!」
自分でも驚くほどの野太い声で、ミシスは唸りました。
もしわたしが想像しているとおりのことをここで彼らが決行したら――なにしろ、ただこの場から離れろというのでなく、丘を降りて町まで避難しろという指示を出していたくらいだ――、この場所は、きっと、消失してしまうことになるのだろう。わたしたちの温かな家も、みんなに大事にされてきた校舎や寮も、芝生の輝く広場も、美しい雑木林とそのなかの秘密の花園も、なにもかもが、燃えてなくなってしまうことだろう。
もしそうなったら、わたしたち、いったいどこへ帰ればいいの? どこへ行けばいいの?
この愚かな出来事が全部片づいたら、みんなでここへまた帰ってくるんだから。
わたしを救ってくれたみんなを、この楽園のような場所を、もうこれ以上傷つけさせはしない。
みんなの帰る場所は、絶対にわたしが守る。
わたし、ノエリィとハスキル先生を一生守っていくって、あの雨上がりの春の日に、列車のなかで誓ったんだから!
ミシスは遠くからノエリィの寝顔を見つめて、その体を守護するための障壁をかぶせるように、とびきりの笑顔を送りました。
「ごめんね、ノエリィ。ちょっと一人にするけど、必ず迎えに来るからね」
そう語りかけると表側の出入り口から校舎を飛び出し、校庭を駆け抜けて家の陰に駆け込み、身を低くして敵機の操舵室からも二体のカセドラの視界からも死角になる経路に目算を立て、全速力でレジュイサンス目がけて走りました。
そして最初にマノンとグリューが出てきた船側面の扉に飛びつくと、思いきりそれを開け放ち、薄暗い船のなかへ入っていきました。
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