「幼女驚異のメカニズム」
文字数 1,975文字
暗闇に慣れた目でもう一度辺りを見てみると、風化した人工物のようなものがところどころに散乱していて、どうやらここは自然に出来た洞窟じゃなくて人工的に造られたものらしいということがわかる。
そうなると、洞窟というよりは遺跡と言った方が近いかもしれない。
「どうしますレユさん、ちょっと先に進んでみますか? ……レユさん?」
振り返ってみれば、レユさんは膝を抱えて座り込んでいた。
かわいい唇を尖らせて、不機嫌そうにぼくを見上げる。
「……レユさん、まだ怒ってるんですか?」
「今日みたいに何度もハダカを見られそうになったのは生まれて初めてです。私は精神的なショックで、もう一歩も動けません!」
「と、いいますと?」
ぼくが訊くと、レユさんは唇を尖らせたまま両手をぼくの方へ差し出した。
「だっこです。ナナさんがだっこしてくれなきゃ、私はここから動きません!」
はあ。
やれやれ。
ロリはこれだから、全く。
「しょうがないですね。ぼくだって本当はとっても疲れてて、ロリ一人持ち上げられないくらい弱ってるけど、でもまあ、レユさんをここに置いておくわけにはいきません。嫌々渋々仕方なく、レユさんをだっこして運んであげますよ。別にレユさんのためじゃないんですからね、勘違いしないでくださいよねっ!」
「ツンデレのテンプレみたいなこと言うの、やめて下さい」
ぼくがレユさんの両脇に腕を入れると、レユさんは素直にぼくの方へ体を預けて来た。
そのまま左手でレユさんの頭を、右手でお尻を支えながら持ち上げる。
ロリ特有の高い体温と手触りを感じる。
目の前にレユさんの金髪がある。甘い、いい匂いがする。
なんか、ロリをだっこするのに慣れてきた感があるな。ぼくにはロリコンの才能があるのかもしれない。
「そう言えば、さっきの女の人……セキカさんってどうなったんでしょう? ぼく、目が眩んじゃっててよく見えなくて」
「分かりません。私もナナさんにだっこされてるので精一杯でしたから」
「うーん、魔王軍とか言ってたけど……あのロボット、何者なんでしょうね」
「あれはMFと呼ばれるマシンだ。魔王軍の連中が使ってるタイプだなっ」
遺跡の広々とした空間の中に、凛とした声が響き渡る。
見ると、ちょうどセキカさんが遺跡の入り口からこちらへ下ってきているところだった。
「無事だったんですね!」
「ああ。お前も無事でよかったなっ!」
「追手はどうなったんです?」
「一応は撒いたぞ。多分しばらくは大丈夫だっ!」
「これからどうするんですか?」
「とりあえずここを出て、仲間のところに行くんだ」
「仲間?」
「そう。世界を支配する魔王軍を倒すための反乱軍だっ! でも私はうっかりはぐれてしまってな……まだ近くにいるはずだから、すぐに追いかけなきゃいけないんだっ!」
なるほど。魔王軍と反乱軍か……。
「ということはですよ、ナナさん。私たちが魔王軍を倒せばこの世界は貰ったようなものじゃないですか。お父様が世界を滅ぼさずに済みます!」
大きな瞳をきらきらさせながらレユさんが言う。
「な、なるほど。確かに……さすがレユさん。可愛いだけじゃなくて頭もいいんですね」
「もう、そんなに褒めないでくださいよぅ」
照れ隠しか、勢いよくぼくの胸に顔をうずめるレユさん。
甘い匂いと、密着した体のふにふにした感覚。
可愛さの不意打ち。
反応する下半身。
……。
…………。
…………ぼくは、しょうきを、たもった!
「なあ、ナナ。私からも質問したいんけど、いいだろっ?」
「あ、は、はい! いいですとも!」
あ、危なかった。
さすがにロリ相手にそれはヤバい。条例に引っかかる。
ぼくは邪念を振り払う意味も込めて、勢いよくセキカさんに顔を向けた。
「その子は何者なんだ? ナナたちはどこから来たんだっ?」
「え、ええと」
どうしよう。異世界から来ましたなんて言ったって信用してもらえないだろうし……。
「言葉では説明しづらいのですが、複雑な事情があるんです」
ぼくが口を開くより先に、レユさんが答えてくれていた。
「複雑な事情だって?」
「はい。実は私たちは、」
「いや、言わなくてもいいんだ! きっとナナと君は兄妹なんだなっ? それで多分、魔王軍に故郷を焼かれてここへ逃げて来たんだ。うん、分かるぞその気持ちっ! 私も反乱軍に拾われなきゃ今頃大変な目に遭っていたはずなんだっ! よし、お前たちも私たちの仲間に入れてあげよう! 一緒に来いっ!」
セキカさんが勢いよくぼくの両肩に手を置く。
なんだかよく分からないうちに仲間に入れてくれることになったらしい。
さすがのレユさんも呆然としている。
そうなると、洞窟というよりは遺跡と言った方が近いかもしれない。
「どうしますレユさん、ちょっと先に進んでみますか? ……レユさん?」
振り返ってみれば、レユさんは膝を抱えて座り込んでいた。
かわいい唇を尖らせて、不機嫌そうにぼくを見上げる。
「……レユさん、まだ怒ってるんですか?」
「今日みたいに何度もハダカを見られそうになったのは生まれて初めてです。私は精神的なショックで、もう一歩も動けません!」
「と、いいますと?」
ぼくが訊くと、レユさんは唇を尖らせたまま両手をぼくの方へ差し出した。
「だっこです。ナナさんがだっこしてくれなきゃ、私はここから動きません!」
はあ。
やれやれ。
ロリはこれだから、全く。
「しょうがないですね。ぼくだって本当はとっても疲れてて、ロリ一人持ち上げられないくらい弱ってるけど、でもまあ、レユさんをここに置いておくわけにはいきません。嫌々渋々仕方なく、レユさんをだっこして運んであげますよ。別にレユさんのためじゃないんですからね、勘違いしないでくださいよねっ!」
「ツンデレのテンプレみたいなこと言うの、やめて下さい」
ぼくがレユさんの両脇に腕を入れると、レユさんは素直にぼくの方へ体を預けて来た。
そのまま左手でレユさんの頭を、右手でお尻を支えながら持ち上げる。
ロリ特有の高い体温と手触りを感じる。
目の前にレユさんの金髪がある。甘い、いい匂いがする。
なんか、ロリをだっこするのに慣れてきた感があるな。ぼくにはロリコンの才能があるのかもしれない。
「そう言えば、さっきの女の人……セキカさんってどうなったんでしょう? ぼく、目が眩んじゃっててよく見えなくて」
「分かりません。私もナナさんにだっこされてるので精一杯でしたから」
「うーん、魔王軍とか言ってたけど……あのロボット、何者なんでしょうね」
「あれはMFと呼ばれるマシンだ。魔王軍の連中が使ってるタイプだなっ」
遺跡の広々とした空間の中に、凛とした声が響き渡る。
見ると、ちょうどセキカさんが遺跡の入り口からこちらへ下ってきているところだった。
「無事だったんですね!」
「ああ。お前も無事でよかったなっ!」
「追手はどうなったんです?」
「一応は撒いたぞ。多分しばらくは大丈夫だっ!」
「これからどうするんですか?」
「とりあえずここを出て、仲間のところに行くんだ」
「仲間?」
「そう。世界を支配する魔王軍を倒すための反乱軍だっ! でも私はうっかりはぐれてしまってな……まだ近くにいるはずだから、すぐに追いかけなきゃいけないんだっ!」
なるほど。魔王軍と反乱軍か……。
「ということはですよ、ナナさん。私たちが魔王軍を倒せばこの世界は貰ったようなものじゃないですか。お父様が世界を滅ぼさずに済みます!」
大きな瞳をきらきらさせながらレユさんが言う。
「な、なるほど。確かに……さすがレユさん。可愛いだけじゃなくて頭もいいんですね」
「もう、そんなに褒めないでくださいよぅ」
照れ隠しか、勢いよくぼくの胸に顔をうずめるレユさん。
甘い匂いと、密着した体のふにふにした感覚。
可愛さの不意打ち。
反応する下半身。
……。
…………。
…………ぼくは、しょうきを、たもった!
「なあ、ナナ。私からも質問したいんけど、いいだろっ?」
「あ、は、はい! いいですとも!」
あ、危なかった。
さすがにロリ相手にそれはヤバい。条例に引っかかる。
ぼくは邪念を振り払う意味も込めて、勢いよくセキカさんに顔を向けた。
「その子は何者なんだ? ナナたちはどこから来たんだっ?」
「え、ええと」
どうしよう。異世界から来ましたなんて言ったって信用してもらえないだろうし……。
「言葉では説明しづらいのですが、複雑な事情があるんです」
ぼくが口を開くより先に、レユさんが答えてくれていた。
「複雑な事情だって?」
「はい。実は私たちは、」
「いや、言わなくてもいいんだ! きっとナナと君は兄妹なんだなっ? それで多分、魔王軍に故郷を焼かれてここへ逃げて来たんだ。うん、分かるぞその気持ちっ! 私も反乱軍に拾われなきゃ今頃大変な目に遭っていたはずなんだっ! よし、お前たちも私たちの仲間に入れてあげよう! 一緒に来いっ!」
セキカさんが勢いよくぼくの両肩に手を置く。
なんだかよく分からないうちに仲間に入れてくれることになったらしい。
さすがのレユさんも呆然としている。