宇宙からのサイン☆~物語収穫人誕生秘話〈後編〉~

文字数 1,190文字





 いつものように良く立ち寄る書店で、文芸コーナーの前を、何気なく歩いていた時のことです。

 ある一冊の本の前に来た瞬間、雷に撃たれたような衝撃を感じました。

 それが、エリン・モーゲンスターン著『夜のサーカス』です。

 その本とは、その時が初対面で、粗筋も良く分からないのに、これは絶対に買って帰らなければならないと、強く思いました。

 そうして読み進んでみると、夜の間だけ開かれる、実に怪しげなサーカスの世界が、魅惑的な文章で展開されていたのです。

 ですから最初のうちは、私好みの非日常の世界にトリップ出来る物語が読めて嬉しい、などと、その本との出逢いを、気軽に捉えていました。

 漸く宇宙からのサインに気付いた時には、その本との出逢いから、数ヶ月も経っていました。

 何故なら宇宙が送って寄越したメッセージは、分厚い本のラスト近くに紛れていたからです。

 五四四ページから五四五ページに跨がっている文章を引用します。

 誰かがあれらの話をする必要がある。戦いが行われ、勝敗がついた時、海賊達が宝物を発見し、ドラゴンが一杯の美味なラプサンスーチョンを飲みながら敵を朝飯代わりに食べた時、誰かがそういう断片を繋ぎ合わせて語る必要がある。そこに魔法があるのだ。それは聞き手の中に生まれ、語り継がれていくうちに変化して、予想もつかぬ影響を及ぼすだろう。俗世から哲学に至るまで。きみの話が誰かの魂に根を下ろし、血となり、身となり、目的となるかも知れんのだ。人々を動かし、駆り立て、きみの話によって、人々が何をするかは誰にも分からん。それがきみの役目であり、きみに与えられた才能なのだ。
 (引用:エリン・モーゲンスターン『夜のサーカス』)

 上記の台詞を読んだ時、これは今世における私の役目を指し示しているのだと、何故だか理解出来ました。

 そうして涙が溢れてきました。

 宇宙は、それに気付いて欲しくて、サインを送ってくれていたのです。

 こうして、物語収穫人である佐藤美月が誕生しました。

 今の私が収穫している物語は、本来の自分と繋がっている時に、降りてきたものばかりです。

 それは同時に、宇宙との繋がりを感じながら、収穫しているということなのです。

 今後、更に本来の自分との繋がりが強化されていく過程で収穫される物語は、あなたの魂に根を下ろし、血となり、身となり、目的となるかも知れません。

 末永くお付き合い頂ければ幸いです。

 それでは、今宵も最後までお付き合い下さいまして、誠にありがとうございました。

 またのご来訪を、心よりお待ち致しております。


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