【10】感じた異変
文字数 1,854文字
小林家の依頼も全て終わった翌日、この日は依頼の電話もかかってこなかった為早めに職場を出て、幸栄達お待ちかねの焼肉店へと行くことになった。
『さーて、寿郎?今日は思い切り
食べて飲むわよ!!準備はいい?』
『…、幸栄、止めはしないけど程々にな?俺はとりあえずキムチとビールだな。』
『さては寿郎も、俺と同じでガッツリ系の食事が胃に堪えるようになってきたな?調子にのって食べた翌朝の胃もたれ感…。アラフォー入ったばかりだというのに先が思いやられますわ。翼もだけどさ女性陣は本当強い!』
とりあえず、盛り合わせを二つとビールを人数分頼み、後は男性陣の為にキムチの盛合せと申し訳程度のサラダを頼む。
『えぇーそれでは僭越ながら…、本日はお日柄もよく絶好の焼肉日和でございます………………………………………わたくしは…』
「はい、乾杯ー!幸栄、寿郎君
いつも本当にありがとうね!」
『『かんぱーい♪』』
『えええ!俺の乾杯の挨拶は無視ですか?これから二人への感謝を述べるいいところだったのにさ~?』
『匠?長い挨拶は嫌われるぞ?』
『翼さすが、匠君の扱いわかってるよね。翼言わなかったら私が言ってたよ。』
世間からみたら暗い仕事をしている私達だが仕事から離れるとただの楽しいことが大好きな人間だ。匠君は"もぉ~"と言いながら嬉しそうにビールを水のように飲んでいる。
焼肉ではなく、ビールばかりお腹の中に入れている匠君は、今日の疲れからかいつもよりも早めに酔いが回ってきているようだ。突然、寿郎君と幸栄にからみだしてしまった。
『…寿郎と幸栄ちゃん聞いてくれる~?実はさ~、俺と翼…超能力身につけたんだよね~。ほら、事故にあったじゃん?あの後からなんだけどさ~?信じてくれる~?』
『えぇ?何々?超能力?何それ!しかも翼までなの?匠君酔ってるわじゃないわよね?』
『…俺?酔ってませーん、ね?翼?』
まぁお酒も入っていることだし
幸栄達も深くは考えないだろう。
「超能力というか、なんというか…実はね私達霊柩車の運転しているじゃない?最初は私だったんだけど…実は、…………という感じの事が起こりまして。」
ビールを飲む手と焼肉を食べる手を止めて真剣に話を聞いてくれている二人。匠君はその様子を見て、得意気な顔をしている。
『…何なのそのロマンティックな話は!何故もっと早くに教えてくれなかったのよ!まさか田中のお婆さんにそんな悲しい過去があったなんて…ヤバい、私泣きそうだ…。』
『…匠は?あの中学生に会ったのか?』
『あ、俺?もちろん会いましたよ~。最初は少しビビったんだけどさ、ハルキ君凄くいい子でね、…実は自殺じゃなかったの!』
「『え?そうなの?』」
「…匠君、ご両親には伝えたんでしょ?亡くなった事実は変わらないけどさ、それって凄く重要なことだよね。」
『多分伝わっているはずだよ?ハルキ君と一緒に伝えに行きましたから!まぁこんな夢みたいな話、本当に信じてくれているかどうかはわからないけどね。』
『そうだね~。寿郎はさ、もし、匠君達の言うとおりに死んでから夢叶えれるんだったら何する?もちろん私は最後にあなた達三人に会いに行くと思うよ?その時はちゃんと受けとめてよね~?』
『俺は…秘密だな。』
『何~?それ離婚問題よ!秘密って何よ。昔の女に会いに行くとか許さないからね~?』
しまった…という顔をしている寿郎君と焼き上がった肉を自分の皿にガッツリと取り、口に詰め込みながらプリプリと怒っている様子の幸栄。私ならどうするだろうか?もし私が先に死んでしまったら、匠君が運転してくれるのか?逆の場合は私が匠君の夢を叶えに行く?何かよくわからなくなってきたが、そんな日がこないことを祈るばかりだ。最後に幸栄の大好きなデザートを頼み機嫌を直してもらうと、本日の食事会は終了した。
山田夫婦と別れ、匠君と手を繋いで歩いていると、突然頭に激痛が走った。思わずその場に座り込む私。
『え?翼?大丈夫??』
「あ、ごめん、大丈夫。何か少し頭が痛かっただけだから!帰って鎮痛剤飲んだら治るから心配しないでね。」
『本当に~?明日も痛かったら
病院行ってよね?わかった?』
「わかった、約束するからね?」
久しぶりのアルコールのせいなのか先日の事故が関係しているのか…とりあえず早く帰って寝よう。しかし、頭の激痛のお陰で私が眠りに
ついたのは明け方のことだった。
『さーて、寿郎?今日は思い切り
食べて飲むわよ!!準備はいい?』
『…、幸栄、止めはしないけど程々にな?俺はとりあえずキムチとビールだな。』
『さては寿郎も、俺と同じでガッツリ系の食事が胃に堪えるようになってきたな?調子にのって食べた翌朝の胃もたれ感…。アラフォー入ったばかりだというのに先が思いやられますわ。翼もだけどさ女性陣は本当強い!』
とりあえず、盛り合わせを二つとビールを人数分頼み、後は男性陣の為にキムチの盛合せと申し訳程度のサラダを頼む。
『えぇーそれでは僭越ながら…、本日はお日柄もよく絶好の焼肉日和でございます………………………………………わたくしは…』
「はい、乾杯ー!幸栄、寿郎君
いつも本当にありがとうね!」
『『かんぱーい♪』』
『えええ!俺の乾杯の挨拶は無視ですか?これから二人への感謝を述べるいいところだったのにさ~?』
『匠?長い挨拶は嫌われるぞ?』
『翼さすが、匠君の扱いわかってるよね。翼言わなかったら私が言ってたよ。』
世間からみたら暗い仕事をしている私達だが仕事から離れるとただの楽しいことが大好きな人間だ。匠君は"もぉ~"と言いながら嬉しそうにビールを水のように飲んでいる。
焼肉ではなく、ビールばかりお腹の中に入れている匠君は、今日の疲れからかいつもよりも早めに酔いが回ってきているようだ。突然、寿郎君と幸栄にからみだしてしまった。
『…寿郎と幸栄ちゃん聞いてくれる~?実はさ~、俺と翼…超能力身につけたんだよね~。ほら、事故にあったじゃん?あの後からなんだけどさ~?信じてくれる~?』
『えぇ?何々?超能力?何それ!しかも翼までなの?匠君酔ってるわじゃないわよね?』
『…俺?酔ってませーん、ね?翼?』
まぁお酒も入っていることだし
幸栄達も深くは考えないだろう。
「超能力というか、なんというか…実はね私達霊柩車の運転しているじゃない?最初は私だったんだけど…実は、…………という感じの事が起こりまして。」
ビールを飲む手と焼肉を食べる手を止めて真剣に話を聞いてくれている二人。匠君はその様子を見て、得意気な顔をしている。
『…何なのそのロマンティックな話は!何故もっと早くに教えてくれなかったのよ!まさか田中のお婆さんにそんな悲しい過去があったなんて…ヤバい、私泣きそうだ…。』
『…匠は?あの中学生に会ったのか?』
『あ、俺?もちろん会いましたよ~。最初は少しビビったんだけどさ、ハルキ君凄くいい子でね、…実は自殺じゃなかったの!』
「『え?そうなの?』」
「…匠君、ご両親には伝えたんでしょ?亡くなった事実は変わらないけどさ、それって凄く重要なことだよね。」
『多分伝わっているはずだよ?ハルキ君と一緒に伝えに行きましたから!まぁこんな夢みたいな話、本当に信じてくれているかどうかはわからないけどね。』
『そうだね~。寿郎はさ、もし、匠君達の言うとおりに死んでから夢叶えれるんだったら何する?もちろん私は最後にあなた達三人に会いに行くと思うよ?その時はちゃんと受けとめてよね~?』
『俺は…秘密だな。』
『何~?それ離婚問題よ!秘密って何よ。昔の女に会いに行くとか許さないからね~?』
しまった…という顔をしている寿郎君と焼き上がった肉を自分の皿にガッツリと取り、口に詰め込みながらプリプリと怒っている様子の幸栄。私ならどうするだろうか?もし私が先に死んでしまったら、匠君が運転してくれるのか?逆の場合は私が匠君の夢を叶えに行く?何かよくわからなくなってきたが、そんな日がこないことを祈るばかりだ。最後に幸栄の大好きなデザートを頼み機嫌を直してもらうと、本日の食事会は終了した。
山田夫婦と別れ、匠君と手を繋いで歩いていると、突然頭に激痛が走った。思わずその場に座り込む私。
『え?翼?大丈夫??』
「あ、ごめん、大丈夫。何か少し頭が痛かっただけだから!帰って鎮痛剤飲んだら治るから心配しないでね。」
『本当に~?明日も痛かったら
病院行ってよね?わかった?』
「わかった、約束するからね?」
久しぶりのアルコールのせいなのか先日の事故が関係しているのか…とりあえず早く帰って寝よう。しかし、頭の激痛のお陰で私が眠りに
ついたのは明け方のことだった。