序の結

文字数 913文字



虹の谷にんげんかいのみなさまへ

きっと、たくさんおどろかれるでしょうが、はじめておたよりします。
わたしたちは、おなじ「虹の谷」に、ずっとむかしからすんでいる河童です。わたしたちは、にんげんよりずっとちいさく、あたまにお皿、せなかに甲羅があります。はだのいろは、白です。

くうかんが0.25バレンタほどちがうので、いままでおたがいにみえませんでしたが、ここなんねんか、こちらからうっすらにんげんかいがみえます。このいへんを、まっさきに、おなじ「虹の谷」にすむ、みなさまにつたえたくて、このしょめんをかいています。たぶん、ちかいしょうらい、かんぜんにくうかんがガッタイします。

わたしたちは、心より、まことの友好的なかんけいをのぞんでいます。

ぶきはもっていません。たたかいもしません。ケンカもきらいです。でも、からだもせいかつしゅうかんも、まったくちがうので、もんだいがおこったときのために、国としてのそしきをつくりました。

ここに、河童国「虹の谷」のけんこくをせんげんいたします。

かんぜんにくうかんがガッタイしたら、おめにかかれるとおもいます。わたしたちはそのひをたのしみにまちます。きっと、なかよくしてください。

だいいちしょきかん/スーワ
がいむだいじん/小梅
もんばん/ケン
こもんがいこうかん/サルタン(むかしのどうそじん・サルタヒコかみ・てんぐさま)
こもん仙人/小富士 るすやく たいらっぴょん
こもん祈祷師/対馬

れいわがんねんの河童国はるまつりのひ

河童国「虹の谷」 だいひょう さくら


大仙人(だいせんにん)になった小富士仙人(こふじせんにん)は、数日(すうじつ)のちに(ひら)かれた人間界(にんげんかい)(はる)まつりの()浅間神社(せんげんじんじゃ)祭壇前(さいだんまえ)のうすべりの()(なか)に、この大切(たいせつ)一枚(いちまい)(かみ)()いた。








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登場人物紹介

虹の谷にやって来て630年。祈祷師の「対馬」ですの。いつも、あなたの幸せを祈っているわ ❤️

小梅よ。虹の谷の門番であるケンさんと結婚して、私も門番をやっているの。ワクワクドキドキ、お気に入りの仕事よ。

門番のケンだよー。虹の谷の異界から最近、人間界が見えるんだよ。どうなることやら・・・。顔だけで門番になったから、この仕事怖いんだよな。まあ、今は小梅が手伝ってくれるから良いけど。

さくらよー。虹の谷の女性リーダーは、代々「さくら」を名乗ることになっているの。将来は、虹の谷のリーダーになるんだけど、今は、まだ子供よ。

虹の谷一の物知りと言われているスーワだよ。多くの知識をフル活用して、この虹の谷の一大事を乗り越えていくんだ。楽しみにしててね!

サルタンだよー。河童たちに、何百年かぶりに、石碑の中から引っ張り出されたよ。人間時代は、仙人界に憧れていろいろ修行したんだけどね、本物の異界に住んでる河童たちと友達になるとは、思っても見なかったなあ。

ケトだよ。虹の谷は面白いよ。水浴びしたり、毎日、虫や鳥と遊んでる。スーワがパパで、ママはマンバ、お兄ちゃんはナトって言うんだ。ナトはすぐ、ひとりでどこか行っちゃうから、僕はいつもさくらちゃんと一緒にいるんだ。

平標山の仙人、たいらっぴょんじゃ。虹の谷には、小富士仙人という、えらい仙人がおるんだがの。旅に出たまま、ちっとも帰ってこんから、ワレが時々、虹の谷を見廻ることになってるんじゃが、子供たちが可愛くてなあ、けっこう楽しくやっておる。

小富士仙人。留守をたいらっぴょんに任せて、長いこと旅に出ていたんだが、やっと、物語の最後に間に合うように、帰ってこられたよ。

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