6話

文字数 711文字

ふふっ……ユウくん寝てるなあ

寝顔も……かわいい ちゅ……



私はいなくなっちゃうけど……ユウくんは永く生きてね

それが私のお願いだから



じゃあね、ばいばい  また……逢えたらいいね 約束……

朝起きたら隣に永遠先輩はいなかった。

昨日のことすべてが夢で妄想だったんじゃないかと思った。


けれど、昨日の先輩の香りも、仕草も忘れることは出来なくて、夢じゃないことは僕が一番覚えている。

思い出すとあたたかいものが胸にこみあげてきて、永遠先輩がいないという現実にわんわんと泣いた。

どれだけ嫌だと願ってもこうして朝は巡ってきて眩しい光で僕を照らす。

……起きよう
泣いたら吹っ切れてすっきりした。

いつまでもめそめそしていてはかっこ悪い。

こんな男じゃ永遠先輩に合わせる顔がない。


顔をあげた僕の目に飛び込んできたのは手紙だった。

これ……手紙?
枕元に置かれていたのは桃色の封筒だった。

中を開いて目を通すとかわいらしい丸文字の、永遠先輩の筆跡だった。

『ユウくんへ


私の人生は短くても充実していました。

だから、私が死んだことをユウくんが悔いる必要はないんだよ。

ユウくんとまたこうして過ごすことが出来てとても楽しかったよ。


私はすごく幸せです。

ありがとう。そして、ばいばい。


永遠に、貴方を愛しています……  』

手紙を読んだ僕はまた泣きそうになり、ぐっと涙を抑えた。
永遠先輩……


僕も、永遠に先輩が好きです。幸せでした。

永遠先輩に会えただけで、幸せで、夢みたいだった。

もう傍にいないけれど……昨日だけでたくさんの強さをもらった。




僕は成長するためにも前を向いて歩かなければならない。泣いていてはいけない。


辛くても日々を生きよう。僕らの見守ってくれるこの街の木に感謝して――

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登場人物紹介

夢島 永遠


ユウの先輩で彼女。

1年前に交通事故に亡くなるが、クリスマスに実態を持って蘇った。

人当たりがよく、周りの人みんなに愛され、人を笑顔にする。

1人でいたユウに近づき、色々な世の中の楽しいことを教える。

好きな食べ物はたい焼き


ユウ


先輩が亡くなってから、心を閉ざす。

先輩がすべてだった。

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