天下統一

文字数 371文字

 秀吉が天下統一を着々とすすめているころ、四五六たちは日本にいなかった。外国の戦を学ぶためにヨーロッパに渡っていた。火縄ではない新式の銃や、鎧などの装備を見た。さらに、人力ではあったが戦車などの最先端の武器にも触れた。

 銃や大砲などの火器以外は、日本にとって脅威にはなりそうもなかった。鉄の鎧は日本の蒸し暑い気候には向かない。平地のすくない日本では戦車は単なるゴミでしかない。彼らのごつい剣は一撃で骨を打ち砕き、槍もへし折る。ただ小柄で非力な日本人には向いていなかった。

 かれらの一部は、大陸に残り、アジア諸国を転々とした。国内が平定されたら次は海外へと戦の場が変わるだろうことを予見してのことだった。そのころ十一は大怪我をした。流れ弾に当たり、肋骨を折る重傷だった。幸い弾は貫通したが、肺に穴があき、しばらくは意識がない状態だった。
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登場人物紹介

猪熊 四五六(しごろく)

組討の使い手

十一の父

二三(ふみ)

剣術の使い手

十一の母

長い細身の背負い刀、長柄草刈刃を使う

十一(じゅういち)

鉄砲使い

オリジナル改造の種子島を二丁持つ

八(やつ)

見世物小屋の芸人

吹き矢芸

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