文字数 333文字



今日は満月なんだよ
そんな誘い文句に乗っかって
寒いけど空を眺める
月が明るすぎて
星がほとんど見えないな
この街じゃどんなに頑張っても
そんなにたくさん見えやしないけど
夜空を眺めると
昔の楽しかった
あれやらこれやらが
昨日のようで楽しい
星座のこととか
ほとんどわからないけど
屋根の上で眺めた星は
いつのまたたきを
時間を超えて届けてくれたの
あの日からたくさんの
さよならを交わしたけれど
ここに残るぽっかりあいた
大きくもなく小さくもなく
痛くもなく痒くもない
あなを通る冷たい風を
そっと見送るばかり
手を伸ばしてひとつくらい
この穴に落としても
きっと誰も気づかないけど
一人で抱えるには
大きすぎるからそんな事はしない
ちょっと寒くなったから
もう戻ろうあの場所へ
まだ温もりが残っているから
戻ろうあの場所へ
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