第16話 ヒロは同罪か

文字数 340文字

 踊り場に着くとヒロはケンジの方へと振り向いた。
「ここならいいんだよな?」
「ああ。てかお前、誰にも話してないだろうな?」
「……何をだよ?」
「何をって、昨日のことに決まってるだろ」
「あー」
「あー、って何だよ。ニュースにもなってたんだ。いつ警察が来てもおかしくないんだぞ」
「確かにそうだな。でも……俺には関係ないし」
 まるで本当に他人事と思っているような無機質な声でそう言った。ケンジはその言葉を聞いて自分の耳を疑った。
「……関係ないだと?」
「ああそうだよ」
「なに言ってんだよ。あのときお前は俺と一緒にいたじゃねぇか。だったらお前も同罪だ」
「違うな。確かに俺はあの時お前らと一緒に屋上にいた。だがそれだけで、

 俺とお前が同罪ってことにはなんないだろ」

「は?」ケンジは驚愕に目を見開く。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

鈴村里香 裏教育委員会員。教育実習生として潜入。

ケンジ 小学六年生。嘘をつくことが癖。

タカシ 真面目な小学六年生。ケンジの友達。

ヒロ 小学六年生。

深江ゆかり 鈴村教育実習生の同期

レイピア

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み