象徴
文字数 531文字
いつからなのか、知っている人間は少ない。
だが、確かにこの辺の人類の敵は一掃されて、それでもさざ波のように押し寄せ続ける敵も問題なく払えるくらいには常に戦況は安定するようになり、戦時下でありながらいつの間にか街や道は整えられ、多くの人々にとっての穏やかな毎日がまるで当たり前のように続いていたのだ。
『向日葵姫』
この辺で、この名前を知らない者はいない。
鮮やかな黄色の人型を駆り、名古屋の平和を守る守護神。
絶対に街を戦火に巻き込まないもの。
人々に穏やかな生活をもたらす存在。
どんな戦場からも生きて帰る兵士。
人々は当たり前に、そんな存在に平和を与えられている。
それは中部軍の抱える、最大の偽り。
戦う象徴という名の、幻想。
安易に選んでしまった果ての罪。
夢は、いつか醒めるから、夢。
幻は、形を持たないから、幻。
全ては、いつか必ず終わるもの。
鮮やかな夜明けと共に、いつしか人は目覚めねばならないのだ。
自分たちで掴み取ってない、いつの間にか用意されただけの平和という、甘い夢から。
関東及び甲信越において、最近では似たような知名度を誇り似たような扱いを受けつつも、こちらは実態を持った本物である『青い服の機人』が訪れたのは、そういう所だった……。
だが、確かにこの辺の人類の敵は一掃されて、それでもさざ波のように押し寄せ続ける敵も問題なく払えるくらいには常に戦況は安定するようになり、戦時下でありながらいつの間にか街や道は整えられ、多くの人々にとっての穏やかな毎日がまるで当たり前のように続いていたのだ。
『向日葵姫』
この辺で、この名前を知らない者はいない。
鮮やかな黄色の人型を駆り、名古屋の平和を守る守護神。
絶対に街を戦火に巻き込まないもの。
人々に穏やかな生活をもたらす存在。
どんな戦場からも生きて帰る兵士。
人々は当たり前に、そんな存在に平和を与えられている。
それは中部軍の抱える、最大の偽り。
戦う象徴という名の、幻想。
安易に選んでしまった果ての罪。
夢は、いつか醒めるから、夢。
幻は、形を持たないから、幻。
全ては、いつか必ず終わるもの。
鮮やかな夜明けと共に、いつしか人は目覚めねばならないのだ。
自分たちで掴み取ってない、いつの間にか用意されただけの平和という、甘い夢から。
関東及び甲信越において、最近では似たような知名度を誇り似たような扱いを受けつつも、こちらは実態を持った本物である『青い服の機人』が訪れたのは、そういう所だった……。