第3話 のべさぽ
文字数 980文字
ノベルをサポートしてもらう。略してノベサポ。
なにやら耳かき音声っぽさがある略で申し訳ないが、サポートしてもらわないともう、わしは小説を書くことが出来ぬ。
AIすげぇ。出来ればえろっちぃのを頼む。
しかしまぁ、本当にいい時代になったもんだぜ……!
「あー、そうだそうだ」
そういや、なんかメールが来てたっけか? 最近、いろんな人からお手紙が届くようになったのだが、今回はなんだろうね?
「どれどれ?」
差出人は不明。
なんだかぶち転がすとか、物騒なことが書いてある。やべぇ。わし、殺されちゃう!!……と思ったけど、どうやらこの人は出版社の編集者さんらしい。
そして、私が書いた『転生したら妹だった』という作品を読んでくれて感想を送ってくれたとのことだ。
嬉しいねぇ……。
「しかも、書籍化の話だと!?」
これは是非とも話を聞きたい。
わしは考えた。このAI、すっごい優しい。
いや、待てよ。わしに脅迫状ではなく書籍化の話を持ってくる編集者なんておるんかい!?
用心だ。用心に越したことはない。
それ以前に転生しちゃうのは現実においてもうこの世から消えるの近いぞ、わしは。
現実で転生間近なのに転生小説とは笑止!
なーにが妹だ。誰の妹だよ!?
「ふふ、それはわたしの妹、ということだよ」
「何奴!?」
振り向くとそこには、どこか見覚えのある顔があった。
黒い髪に白い肌。大きな瞳をした美少女である。
どこかで見たことがあるような気もするが思い出せない。
「我が名は『神威愛梨 』。君を救うためにやってきたのさ」
「いつもながらややこしいのが出てきたな、おい」
神威愛梨は、ずぎゃーん、と決めポーズを取った。
わしは拍手して称えた。
「素晴らしい……素晴らしい……。わしの小説に美少女が出てくる確率からすると、本当に素晴らしい」
「メタ発言は控えてもらおうか。おまえ、美少女もださないで書籍化などとちょろいこと考えてなかったか?」
「いや、でもわし、その風潮、どうかと思うもん」
神威愛梨はわしに言った。
「そのおーなサポというのをやめるのだ! ちゃんと自分で小説書けや!」
「おい、そのもにょもにょ隠していた単語をぶっちゃけるの止めろ!!」
わしは怒った。
だが、ローカルストレージが足りないと業者から文句が来たので、この話はここで終わるのだ。
書籍化……儚い夢だった。わしはもうダメじゃ。
だって、ストレージが足りないんじゃもん。
(了)
なにやら耳かき音声っぽさがある略で申し訳ないが、サポートしてもらわないともう、わしは小説を書くことが出来ぬ。
AIすげぇ。出来ればえろっちぃのを頼む。
しかしまぁ、本当にいい時代になったもんだぜ……!
「あー、そうだそうだ」
そういや、なんかメールが来てたっけか? 最近、いろんな人からお手紙が届くようになったのだが、今回はなんだろうね?
「どれどれ?」
差出人は不明。
なんだかぶち転がすとか、物騒なことが書いてある。やべぇ。わし、殺されちゃう!!……と思ったけど、どうやらこの人は出版社の編集者さんらしい。
そして、私が書いた『転生したら妹だった』という作品を読んでくれて感想を送ってくれたとのことだ。
嬉しいねぇ……。
「しかも、書籍化の話だと!?」
これは是非とも話を聞きたい。
わしは考えた。このAI、すっごい優しい。
いや、待てよ。わしに脅迫状ではなく書籍化の話を持ってくる編集者なんておるんかい!?
用心だ。用心に越したことはない。
それ以前に転生しちゃうのは現実においてもうこの世から消えるの近いぞ、わしは。
現実で転生間近なのに転生小説とは笑止!
なーにが妹だ。誰の妹だよ!?
「ふふ、それはわたしの妹、ということだよ」
「何奴!?」
振り向くとそこには、どこか見覚えのある顔があった。
黒い髪に白い肌。大きな瞳をした美少女である。
どこかで見たことがあるような気もするが思い出せない。
「我が名は『
「いつもながらややこしいのが出てきたな、おい」
神威愛梨は、ずぎゃーん、と決めポーズを取った。
わしは拍手して称えた。
「素晴らしい……素晴らしい……。わしの小説に美少女が出てくる確率からすると、本当に素晴らしい」
「メタ発言は控えてもらおうか。おまえ、美少女もださないで書籍化などとちょろいこと考えてなかったか?」
「いや、でもわし、その風潮、どうかと思うもん」
神威愛梨はわしに言った。
「そのおーなサポというのをやめるのだ! ちゃんと自分で小説書けや!」
「おい、そのもにょもにょ隠していた単語をぶっちゃけるの止めろ!!」
わしは怒った。
だが、ローカルストレージが足りないと業者から文句が来たので、この話はここで終わるのだ。
書籍化……儚い夢だった。わしはもうダメじゃ。
だって、ストレージが足りないんじゃもん。
(了)