第三部 あらすじ・用語・登場人物
文字数 2,324文字
【第二部までのお話】
竜との絆の強さが社会の階級を決める、みずからを「竜の末裔」と信じる人々が暮らす王国オンブリア。そこでは、王家によらない、〈血の呼 ばい〉という独特のルールで王位が継承されていた。竜の力を自在に引き出す竜騎手 に憧れる辺境の少女リアナは、謎の集団に里が襲撃に遭ったことをきっかけに、自分が次の王位継承者であると知らされる。親しい人のほぼすべてを襲撃で失った彼女は、高慢な竜騎手 にしてもう一人の王位継承者デイミオン(デイ)と、謎多き剣士フィルの二人の青年とともに、後継者として王都へ向かうことに。
ケイエ襲撃後、リアナは新しい王として即位した。襲撃をともに乗り越えたデイミオンと恋人関係になったものの、竜族特有の繁殖期 の慣習や政治的バランスが二人の関係を阻んでいた。護衛として、ときには密偵としてつねにリアナを守ってきたフィルは〈ハートレス〉として竜族のなかで差別される立場にあり、過去の戦争体験にも苦しんでいた。リアナとフィルは嵐の夜に結ばれるが、その翌日、フィルはこつ然と姿を消した。
怒り狂うデイミオンと、出奔したフィルに不安を抱きながらもリアナは外遊へ。
人間の国イーゼンテルレで、デーグルモールの青年イオと邂逅したリアナは自分もまた半死人なのではと疑い、おびえる。オンブリアを亡命したフィルは大国アエディクラを探り、人間たちが力ある古竜を打ち破る武器を開発していることに危機感を抱く。五公内での対立は続き、自身の変化に不安を抱えながらも、リアナとデイミオンは互いの気持ちを確かめあった。
その直後、大叔父メドロートがデーグルモールたちに囚われていると知らされ、二人は後継者ナイルとともに、彼らの本拠地と目されるアエンナガルに向かった。黒竜アーダルの暴走により離れ離れになった三人。主を失ったメドロートの竜と、新しい主であるナイルは人間たちへの怒りを爆発させる。デイミオンはデーグルモールの頭領ダンダリオンとの戦いで重傷を負う。リアナはイオとの戦いで、ついにデーグルモールとしての力を発現させてしまった……。
【用語】
◎竜騎手 (「乗り手」も同じ) ・・・古竜と呼ばれる力ある存在と意志を通わせ、使役できる者とその階級の相称
◎〈ハートレス〉 ・・・〈竜の心臓〉を持たないために種々の差別を受ける階級
◎〈呼 ばい〉 ・・・竜族のみがもつ〈竜の心臓〉を使った念話。王・領主とその後継者のあいだにあるものは、特別に〈血の呼 ばい〉と呼ばれ、お互いの存在を感知し、身体感覚の一部を共有する
◎繁殖期 ・・・長命だが子どもの生まれにくい竜族のためにもうけられた社交期。男女とも複数の相手を選ぶことが普通
◎デーグルモール ・・・ 「半死者 」とも。もとは竜族、しかも乗り手 や高位のコーラーでありながら人間の国家に従う一群。鳥のような仮面とマントで身を隠している。剣や竜術によって重傷を負わせても活動可能なゾンビであり、竜や乗り手 たちを襲い、殺して食べるという
【登場人物】 ※()内は物語内での愛称
リアナ(リア) ・・・オンブリアの王。南部の国境近い〈隠れ里〉で育った少女。白の竜騎手
デイミオン(デイ) ・・・オンブリア随一の黒竜を従える竜騎手 で、リアナの次の王位継承権を持つ王太子。彼女と〈呼ばい〉と呼ばれる絆で感覚の一部を共有している。東部の大領主で、〈五公〉の一人
フィルバート(フィル) ・・・〈竜殺し 〉などさまざまな二つ名を持つ青年。イティージエン戦役の英雄だが、竜騎手 の家系に生まれながら竜との絆を持たない〈ハートレス〉。リアとの醜聞を理由にアエディクラに亡命中
◎オンブリアの〈五公〉たち
ナイル ・・・リアナの大叔父で後見役だったメドロートの甥で、彼の死去により領主を継いだ。白の竜騎手
グウィナ ・・・北西部の大領主で黒の竜騎手 。デイミオンとフィルの叔母。
エンガス ・・・西部の大領主。青の竜騎手 の氏族をまとめており、〈御座所〉ともつながりが深い。前王クローナンの兄
エサル ・・・通称フロンテラと呼ばれる南部の大領主。王佐。赤の竜騎手
◎リアナがタマリスで出会う人々
ハダルク ・・・デイミオンの副官で、竜騎手 団の副長
アーシャ ・・・エンガス卿の姪、養女で、元斎姫。デイミオンの婚約者だったがリアナの暗殺計画に加わったため現在は幽閉中
ファニー ・・・〈御座所〉の副神官長、リアとは同年代で友人
テオ ・・・〈ハートレス〉の兵士で、フィルの元部下
ケブ ・・・〈ハートレス〉の兵士で、フィルの元部下
ルーイ ・・・リアナの侍女、白の〈呼び手 〉
ミヤミ ・・・リアナの侍女、〈ハートレス〉
ヒュー ・・・デイミオンの叔父で、彼の領地の後継者
セラベス ・・・本好きな貴族の娘。デイミオンの繁殖期 の相手だったが解消
ロギオン ・・・セラベスの兄で領主貴族
◎王たち
イーサー ・・・オンブリア東南側の隣国、イーゼンテルレ大公国の公子
ガエネイス ・・・オンブリア南側の隣国、アエディクラの王
イノセンティウス ・・・オンブリア領内、ニザラン先住民自治領 の王。〈鉄 の妖精王〉とも呼ばれる
ダンダリオン ・・・デーグルモールの頭領
◎故人、あるいは未登場の人物
エリサ ・・・リアナの母でクローナンの前の王。イティージエンとの戦争を勝利に導いた〈魔王〉
レヘリーン ・・・デイミオンとフィルバートの母。エリサの前の竜王
クローナン ・・・レヘリーン、エリサに続く竜王。リアナが自分の後継者であることは知らないまま崩御
イニ ・・・リアナの養父。行方不明
イオ ・・・ダンダリオンの息子で、デーグルモール
竜との絆の強さが社会の階級を決める、みずからを「竜の末裔」と信じる人々が暮らす王国オンブリア。そこでは、王家によらない、〈血の
ケイエ襲撃後、リアナは新しい王として即位した。襲撃をともに乗り越えたデイミオンと恋人関係になったものの、竜族特有の
怒り狂うデイミオンと、出奔したフィルに不安を抱きながらもリアナは外遊へ。
人間の国イーゼンテルレで、デーグルモールの青年イオと邂逅したリアナは自分もまた半死人なのではと疑い、おびえる。オンブリアを亡命したフィルは大国アエディクラを探り、人間たちが力ある古竜を打ち破る武器を開発していることに危機感を抱く。五公内での対立は続き、自身の変化に不安を抱えながらも、リアナとデイミオンは互いの気持ちを確かめあった。
その直後、大叔父メドロートがデーグルモールたちに囚われていると知らされ、二人は後継者ナイルとともに、彼らの本拠地と目されるアエンナガルに向かった。黒竜アーダルの暴走により離れ離れになった三人。主を失ったメドロートの竜と、新しい主であるナイルは人間たちへの怒りを爆発させる。デイミオンはデーグルモールの頭領ダンダリオンとの戦いで重傷を負う。リアナはイオとの戦いで、ついにデーグルモールとしての力を発現させてしまった……。
【用語】
◎
◎〈ハートレス〉 ・・・〈竜の心臓〉を持たないために種々の差別を受ける階級
◎〈
◎
◎デーグルモール ・・・ 「
【登場人物】 ※()内は物語内での愛称
リアナ(リア) ・・・オンブリアの王。南部の国境近い〈隠れ里〉で育った少女。白の
デイミオン(デイ) ・・・オンブリア随一の黒竜を従える
フィルバート(フィル) ・・・〈
◎オンブリアの〈五公〉たち
ナイル ・・・リアナの大叔父で後見役だったメドロートの甥で、彼の死去により領主を継いだ。白の
グウィナ ・・・北西部の大領主で黒の
エンガス ・・・西部の大領主。青の
エサル ・・・通称フロンテラと呼ばれる南部の大領主。王佐。赤の
◎リアナがタマリスで出会う人々
ハダルク ・・・デイミオンの副官で、
アーシャ ・・・エンガス卿の姪、養女で、元斎姫。デイミオンの婚約者だったがリアナの暗殺計画に加わったため現在は幽閉中
ファニー ・・・〈御座所〉の副神官長、リアとは同年代で友人
テオ ・・・〈ハートレス〉の兵士で、フィルの元部下
ケブ ・・・〈ハートレス〉の兵士で、フィルの元部下
ルーイ ・・・リアナの侍女、白の〈
ミヤミ ・・・リアナの侍女、〈ハートレス〉
ヒュー ・・・デイミオンの叔父で、彼の領地の後継者
セラベス ・・・本好きな貴族の娘。デイミオンの
ロギオン ・・・セラベスの兄で領主貴族
◎王たち
イーサー ・・・オンブリア東南側の隣国、イーゼンテルレ大公国の公子
ガエネイス ・・・オンブリア南側の隣国、アエディクラの王
イノセンティウス ・・・オンブリア領内、ニザラン
ダンダリオン ・・・デーグルモールの頭領
◎故人、あるいは未登場の人物
エリサ ・・・リアナの母でクローナンの前の王。イティージエンとの戦争を勝利に導いた〈魔王〉
レヘリーン ・・・デイミオンとフィルバートの母。エリサの前の竜王
クローナン ・・・レヘリーン、エリサに続く竜王。リアナが自分の後継者であることは知らないまま崩御
イニ ・・・リアナの養父。行方不明
イオ ・・・ダンダリオンの息子で、デーグルモール