3。それは…

文字数 371文字

 暑いわ…

 朝5時半だというのに、この暑さは尋常じゃない。
「おはよう」
「おはよう、モトヒロ」
 リビングに顔を出した後、シャワーを浴びに行く息子。
 弁当をつめながらカレンダーを見た。この夏の大会でこの弁当作りも終了かな。
 我ながら頑張ったわ“朝の弁当作り”
 大きな弁当箱は2つ。ひとつは息子。もうひとつは夫のものだ。
 酷暑が続く中、弁当を持たせたくはないのに。
 せがむ2人を思いだし、ちょっと「ふふふ」な弁当作り。
 弁当を作り終え、朝食をテーブルに並べる。食器棚から取り皿を出そうとする。
 扉を開けると、そこには白い穴が…

 瞬時に、記憶が溢れ出す。

 白い穴の記憶がスライドショーのようだ。
 そして気づく。あの時出会った彼を、今の私は、よく知っていることを。17年間かけて知っていったことを。

 どうりで、イケメンなはずよね。

「すごい出会いだわ」




 
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