第八十八話、和平案(最終話)
文字数 543文字
ガロムは自ら先頭に立って、泥と焦げた森の中、道を探し、泥の上に木材を敷き、馬車が通れるようしにした。二千の兵と食糧や物資を詰めた馬車が移動した。
焦げ付いた森と汚泥が途切れ、草原が見えた。
草原には人間の兵がいた。
ガロムは武器を構えた。
ペックスは、ドワーフの援軍が森を抜けようとしていると報告を受け、バリイ領の騎馬隊と国軍の騎馬隊すべてを東にまわした。プロフェン、バナック、カルデは、騎馬隊を率い、二千五百のドワーフを足止めした。
人間側の使者が牧場跡のドルフの元へ訪れた。
一時休戦となった。
使者が持ってきた和平案を見たあとドルフはつぶやき、それをムコソルに渡した。
和平案には書かれていないが、領主からの手紙に書かれてあった。
ドルフは顔を両手で覆った。
了