第281話 (ぽよちゃん対)豪のゴドバ戦3

文字数 1,402文字



「のっとるよ! ぽよちゃん。アイツ、動く死体の使う、のっとるって技を持ってる!」
「キュイ……」

「ぽよちゃん、大丈夫?」
「こ、このくらい、平気。でも、ためてたテンションが消えちゃった」
「困ったわね」

 ゴドバのやつは一回しか行動できないみたいだ。それに、のっとるって言うのは、一回使うと、3ターンは使用できなくなるんだ。このあとしばらくは大丈夫。

「このうちに倒してしまうよ」
「そうね」

 すると、トーマスとアジがでしゃばってきた。

「待った。キュイキュイ言ってて、イマイチわからないけど、ぽよちゃん。私の特技の鉄壁で、まず、パーティーを守ろう。そうしたら、アイツの攻撃をぽよちゃんは受けなくなる。ためたテンションが消されることはないよ」

 弟分に守ってもらうのはシャクだけど、そのほうがいいかな。せっかくのテンションが消えてしまうのは、もったいないもんね。

「キュイ。じゃあ、そうしよう」

 ぼくはトーマスが鉄壁を使うまで待った。トーマスにもちょっとは働かせてやらないとね。アジは……まだいいか。

「あっ、待って。ぽよちゃん。おれ、『みんなかたくなれ〜』で、パーティーの防御あげとくから」
「キュイ。じゃあ、そうして」

 弟分たちよ。
 ちょっとは成長したな。
 ぼくみたいな立派なお兄ちゃんになるんだぞ。

 そのあと、たまりんさんがハープを弾いた。力が二倍になる火炎のルンバがかかる。さらに二回。詩人支援の効果で、みんなが二回ずつ動ける。

 ぼくはスピードファイターをたまりんさんとアジにかけた。アジはみんなを固くし、トーマスは生まれつきの特技を二つ使った。竜毒っていうのと、教えるだ。教えるはパーティーメンバーの魔法や直接攻撃が二倍になる。

 よし。じゃあ、次こそ、ぼくの番だ。ぼくはアルテマハイテンションになって、ゴドバに突進していった。

 どうだ! 今度こそ!

「ぽよちゃん。アイツの無限大の色が薄い水色に変わった。だいぶ減ってるんだと思う」
「よし。もう一回! アルテマハイテンションアタック!」

 8の色が草の色になった。
 もう一回、アルテマハイテンションアタックをすると、今度は草の色がピコピコした。
 なんだか、次にはやれそうな気がした。

「やるよ。アルテマハイテンションアタック!」

 アルテマハイテンションはなかなかアルテマ状態にならないのが欠点だけど、一回キマるとダメージが大きい。
 あのピコピコがこの攻撃でどうなるかな?

「ぽよちゃん。色が赤くなった。点滅の周期もさっきより早い。やれるわ!」
「うん。次こそ!」

 アルテマハイテンションになるのに十回もかかってしまったけど、体当たりだ!
 ドカーンとカミナリみたいな音がした。

 ぼくは空中で一回転して地面に足をついた。
 ふりかえると、ゴドバはフラフラしてる。

 あっ! HPが99999になってる!

「たまりんさん。HPがふつうになった!」
「やったわ。今ならやれる!」

 やっぱり、たまりんさんの言ったとおりだった。さすがだな。
 ぼくはぽよぽよに生まれたことを誇りに思うけど、その次に尊敬するとしたら、精霊族だ。ブラックローズ号もバランのことを尊敬してるって言ってた。

 かーくんは精霊族じゃないけど、精霊みたいに無欲で子ども心をなくしてないとこが好き。

 あっ、そんなこと考えてる場合じゃなかった。
 次で最後だ。
 ゴドバを倒すよ!

 ぽよぽよ族の王、ぽよが魔王軍の四天王を打ち負かすんだー!
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