プロローグ

文字数 718文字

 Q大学のとあるサークルメンバー達が、電車に乗って合宿場まで向かっている。電車に乗るまではそれぞれの最寄駅から乗車した為に、メンバー達の乗る車両はバラバラだった。だが、合宿場が近付くにつれ、サークルメンバーは自然と集まっていった。単純にサークルの集合場所が近付くだけではなく、合宿場にへ向かうにつれて電車の本数は減り、車両の数も減るからだ。まるで、トーナメント戦の図の様に、サークルメンバー達はひとところを目指し、少しずつ集まっていった。



 都会の電車に比べ、田舎へ向かう電車にはボックス席がある。仲の良いメンバー同士はそこに座り、そうでないメンバー達は微妙な距離を保ちながら電車に乗っていた。
 やがて、合宿場の最寄駅まで向かう電車に乗り換えとなり、サークルメンバーはほぼ同じ車両に乗り合わせることになった。その車両の乗客の殆どはサークルメンバーだったが、地元住民と思われる落花生売りの姿もそこにあった。
 電車が合宿場の最寄駅まで到着した時、サークルメンバー達は電車を降り、車両は殆ど空となった。
 電車を降りたサークルメンバー達は、駅前にある大木を目印に集合した。そこに向かうには、車を持たない大学生は電車に乗ってやって来るしか無い為、直ぐにサークルメンバーは集合を終える。
「じゃあ、合宿場に向かうぞ!」
 簡単な点呼の後、サークル代表が声を上げた。そして、サークル代表を先頭に、サークルメンバー達は合宿場まで歩いて向かった。
 合宿場は古く、空調は扇風機頼りだった。しかし、だからこそ学生でも長期滞在が可能な宿泊費だった。合宿場に到着後、サークル代表が受け付けで名前を名乗り、サークルメンバー達は予め決めておいた部屋に荷物を置きに向かった。
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