できれば、チートな方向で。

文字数 1,836文字

ぱちり。
と、目を開くと、そこには素晴らしい景色がひろがっていた。
いや、ほんとのこというと目とか景色とかよくわかんないんだけど。
だって、自分、さっきまで茫漠とした土というか、土、ちりだった気がするし。
でもきっとアレだ、ドラえもんが電池いれられたときの覚醒っていうか、鉄腕アトムが目をさました感じというか。
・・・ドラえもんとか、アトムってなんだ・・・・?
とりあえず、目の前のードラえもんとかアトムのシチェーションでいうところの博士、がいたので、声をかけてみた。
・・だから、ドラえもんとかアトムってなんなんだっつーの・・・!
「ええと、こんにちは。・・・・・・・・
 あの、あなたはダレですか・・・・?」
「わたしは、『わたしはある』というものである。」
目の前の人物?をじっと見た。
・・・うん。あるね。あるある。
ある、ということを確認していたら、
「ひょっとして、アホの子か・・・」といわれた。
失礼な。
「いや、わたしはわれわれのかたちとして、われわれに似せて、造ったのだ。
 決して、アホの子ではないぞ・・・・」
目の前で、セルフ突っ込みをしている姿が、激しくデジャぶった。
なんか、さっき、自分もドラえもんとかアトムとか、セルフ突っ込みしてたよ!
た、たしかに自分と目の前の人物は似てる・・・?!(白目)
「じ、じゃあ あなたが自分のおとうさん!!」
「ぱぱ、とよびたまえ。」
目の前の人物 は、カッコつけてそういった・・・・。

「じゃあ、おとうさん、ここはどこですか。」
「ぱぱ。」
「おとうさん、あっちにいるいろんな形の生き物はなんですか。」
「ぱぱ・・・・・・」
ものすごく、ぱぱ呼びに憧れていたように見える人物は、
どうやら本当に自分、の父親?らしい。
さっき、われわれのかたち似せて、造った、といっていた。
おとうさん、のからだと自分を見比べてみる。
自分は、たしかに、この今立っている、土地と、同じものだったのに。
今、目の前のー自分を造った、おとうさんのかたちにされている。
おそるおそる、手をのばした。
おとうさんと、自分を、触って、確かめてみたい。
手をのばすと、おとうさんも、こちらの思ってることがわかったようだった。
自分のひとさしゆびと、おとうさんの指が、そっと、ふれる。
『「E・T・・・・・・・・・」』
だから、E・Tってなんだよ・・・・・・・・!

2.  
おとうさんはエデンの園を案内して、いろいろなことを教えてくれた。
ここには、おとうさんが自分のために用意してくれた、素敵なもので満ちている。
暑くも、寒くもなくて、心地よい風に、植物の良い香りがさわやかだ。
美しく植えられた木々は、どれもおいしい実をつけている。
赤くて丸い実はすっぱくてフルーティーだ。紫の粒がたくさんくっついているのはジューシィで、黄色くて長い実はとても甘い。
ただ、とげとげしていて割るとすごい臭いがしたのは、うん、どうかな?って思ったけど、おとうさん曰く、
『これぞ、フルーツの最高傑作!フルーツの王様だぞ!』らしいよ?

この園を潤すための、美しい川もあつた。
ピション。ギホン。ティグリス。ユーフラテス。
エデンの園は、エデンの地の東に造られた、(メソポタミア地方らしい、、?)
安息の地。
そして、自分は、エデンの土をこねこねして、おとうさんと同じかたちに造られて、
『いのちの息』が吹き込まれて、できたもの、らしい。
なんか、おとうさん、すげぇ!
『いのちの息』、ぱねぇ!

『なーんか、ノリが軽いんだよなー、、、、、』と、おとうさんがつぶやいた。

エデンの園の中央までくると、二本の木があった。
「おとうさん、あれはなんですか?」ときくと、
おとうさんは真面目な顔をした。
『あれは、いのちの木と、善悪の知識の木だ。
・・・・・おまえは、園にある、どの木からでも、思いのまま、食べてよい。  
   しかし、善悪の知識の実からは取って食べてはならない。』
  
はじめての、『しちゃダメ』なことをきいて、びっくりした。
おとうさんはことばをつづける。
『・・・それを取って食べるとき、あなたは必ず死ぬ。』
こ・こえええぇぇぇぇぇぇっぇ!
そんな怖い木、なんで造ったの!
間違えてたべちゃったら、どーすんの!!!
『危険!』とか、わかりやすいように書いておいてよ!
・・・・・・美しい園は、デンジャラスにも満ちていた・・・!
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