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文字数 458文字



窓の外のあの子は無邪気な笑顔が溢れ
愛する人と手を繋ぎ雑踏に吸い込まれてく
行き交う人の群れは
いつも大切なものを掻き消す

鏡の向こう側の私はどこか寂しそうに
明日への憂いの紅を頬に挿し
見えない繋がりに想いを馳せて
ひと時の温もりを身に纏いながら眠る

人と人とはいつか繋がりいつか別れる
同じ風景も隣で一緒に見る相手が違うと
どうしてこんなに空が高く感じるのだろう
私の知らない世界が何処かでまた始まる
朝 目覚めたら何事もなかったように
刻む時を今日は誰と過ごそうか

いつもの座席に座るあの人は昨日を引きずって
寄りかかられた知らない人はしかめっ面
その手の平 画面の向こうで
広がる世界には仮想の仲間が集う

車窓越しに時々目のあう貴方は助けを求め
巻き込まれたくない大人たちは
素知らぬ顔で他人ごと
振り向く勇気すら持ち合わせてない

誰かと誰かはいつか出会いいつか見失う
同じ風景も隣で一緒に見る相手あの人なら
どんなに空が高くても傷付いても飛び立ってた
私の知らない世界へと行きたいのなら
夜 深く眠りについたらそのドアを開けて
あの鳥の翼を借りて夜空の向こうへ


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